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目が覚めると新しい着物になっていた。
濡れていた布団も全部代えられている。

(あ、れ‥)

ぼんやり天井を眺めていたら沖田さんの声がした。


「起きやしたか」

沖田さんは前髪を上げておでこをくっつけてきた。デジャヴだろうか。何だかさっきまで同じような夢を見てた気がする。


「さっきより下がってら。寝てる間に薬飲ませたのが効いてきたかねィ‥」
「あ、そうですか」

薬を飲ませてくれたらしい。
どうりで頭がぼんやりして、眠気が強いはずだ。

沖田さんがまだ何か喋っていた気がしたが、再び意識を手放し眠りについた。





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「ん?」

違和感を感じて目が覚めた。
目を開けてすぐ沖田さんが視界に入る。
どういうことだろう。
どうやら沖田さんが私と同じ布団で眠っている。

(一体何があったんだっけ)

長い夢を見ていたようで全然思い出せない。

沖田さんは瞼を閉じていたが私が動く気配を察したのか、ぱちりと大きな瞳を開いた。

「わっ、お、沖田さ‥」
「‥熱、下がりやしたか?」

半分寝ぼけてまどろみながら沖田さんはおでこをくっつけてきた。
沖田さんの身体が一層密着してきて恥ずかしくなる。

「な、なんで一緒に‥寝てるんですか」
「お前、オレの献身的な看病覚えてねぇんかィ」
「そんな、男同士で一緒の布団なんて‥」

恥ずかしくて距離をとろうとしたら腕を掴まれた。

「男同士、ねィ‥」
「え?」
「本当に覚えてねぇんだな」

距離をとるどころか沖田さんに押し倒されてしまった。

「え?え?」

そういえば夢に沖田さんが出てきてた気がする。
しかしどこからどこまでが夢なのだろう。

「こんな大層なもんつけて」


そうため息をつきながら沖田さんは私の着物にするする手を入れてきた。

「っひぁ」
「おうおう、可愛い声出すじゃねぇか」


沖田さんは私の胸をむに、とつまんでいた。

「っ、う、ぁ」

思考が追い付かないが『沖田さんが私の生乳をつまんでいる=史上最大のピンチ』という方程式は頭の中ですぐに出来た。



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