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「沖田さん、酷いですよぅ」
そのあと私の部屋でゴロゴロする沖田さんにマッサージしながら少し文句を垂れた。
「調子のるんじゃねぇでさァ」
「でも、オレせっかく初任務‥」
「女のくせにオレとか言ってんじゃねぇ」
「えっと、これはもう習慣で」
「オレん前では自分のことオレって言うの禁止でさ。命令ですぜ」
「うっ」
弱味を握られてる以上命令には逆らえない。
私が黙ると沖田さんは満足気にニヤリと笑った。
ーーーーー
日曜日。
屯所はいつもより緊張感が漂っていた。山崎さんは遊女として、そして選ばれた数名がその現場に隠れて立ち合うらしい。
沖田さんも現場での切り込み隊長に選ばれていたので今朝早くから出掛けていた。
今回集まる攘夷志士は過激派らしく、高杉の情報も入るかもしれない。
やはりこの捜査、自分が参加したかったな、と少し悔やんだ。
「あ!いた!男装君」
「近藤さん」
「さっき山崎が慣れない下駄で捻挫してなぁ、代わりに行ってくれんか!?」
「え!」
「密会まで時間がない。どうだ、できるか?」
「い、行きます!」
「志士達の話だけでも聞けるようだったら聞いてくれ。どんな情報でもいい」
「分かりました!」
近藤さんの指示で隠密組に急いで化粧をされ、かつらをつけられる。
「うわー化粧映えするなぁ」
「そ、そうですか?あの、着物は一人で着れますんで」
「女物を?珍しいね。女装が趣味だったりするの?」
「へへ。内緒です」
「とりあえず気をつけろよ男装君〜」
「こんな美人じゃ志士達に気に入られちまうなぁ、心配だ」
「副長が迎えに来てるから店まで送ってもらってな!」
隠密組に見送られ、土方さんの車へと向かった。
入隊してから初めて女の格好をする。
着物がズルズルと重たく歩きづらかった。
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長夢
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