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こんなところで再会するなんて、なんということだろう。
裏で見ている沖田さん達はこの男が高杉だと恐らく気づいていないはずだ。
早く何とかして伝えなければ。
高杉を止める千載一遇のチャンスだ。
「それであの件だが、」
「いや待て」
男が高杉に話しかけると高杉はそれを制した。
「今日は何だか怪しい匂いがするなァ。話すのは次回にしようや」
「む?そうか?」
「今日はこんな嬢ちゃんがいるんだ、楽しく過ごそうぜェ」
高杉は私に向かってニィっと笑った。
その見覚えのある笑顔に心臓がぎゅっと締め付けられた。
「こっち来いよ」
手を引かれて高杉の膝の上に座らせられた。
もうこの男はこの膝の上から私を離しはしないだろう。
「久しぶりじゃねぇか」
高杉は小声で私にだけ聞こえるように耳元に話しかけてきた。
「お前遊女になったのかよ、クク」
「っ‥」
違うと答えそうになったが、この状況で真選組に入ったなんて口が裂けても言えなかった。
「無視すんなよ」
「っ〜」
高杉が着物の裾に手を入れてきた。
「ほんっと、相変わらず手癖悪すぎ」
昔、高杉が私を膝に座らせる時はいつもこうやってちょっかいを出してくる時だった。
高杉の手を払い小声で高杉に悪態をつく。
「綺麗になったじゃねぇか」
「っ、うるさい」
「クク、遊女なら遊女らしく、しろ」
「ひっぁ」
高杉は周りには見えぬよう私の胸にするりと手を入れてきた。
「や、やめ、」
「お前が遊女ならよぉ、オレが身請けしてやるよ」
「っ」
「それとも、遊女じゃねぇ、とかなァ」
バッと高杉の顔を見た。
ニヤリと笑う高杉と目が合う。
(コイツ、分かってる)
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