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「と、いう訳で今日から入隊した名字男装君だ。1番隊についてもらう」
「よ、宜しくお願いします!」


入隊日、近藤さんが朝の集会で紹介をしてくれた。どうやら今回入隊出来たのは私1人らしい。


「可愛い!可愛い!」
「小せぇな」
「いきなり1番隊って大抜擢だな」
「1番隊はあれか?顔がいいやつしか入れねぇのか?」


私を見るなり隊士達がどよめきだし、様々な野次がとんだ。
近藤さんは笑って私の背中をバシバシ叩いた。


「ハハ!すまんなぁ、男ばっかりだとうるさくてな!まぁすぐ男装君も慣れるだろ!」
「は、はぁ」
「オイ総悟!」
「へい」
「隊長としてちゃんと面倒見てやってくれよ」
「…分かってまさぁ」
「部屋は総悟の隣だ。困ったことがあれば何でも言ってくれ」
「ありがとうございます」
「よォォし、解散!」


全体集会が終わり皆が各々の仕事へと捌けたところで、沖田さんが色々案内してやるから来い、と声をかけてきた。

食堂やトイレ、風呂を案内され、最後に部屋へと案内をうける。


「お前の部屋はここな。オレの部屋はそこ」
「はい」
「それにしても男装、お前隊服でっかくねぇか?」
「いや、サイズがこれしかないみたいで。今もっと小さいサイズ作ってもらってます」
「ふぅん」



沖田さんは私を下から上までジトーっと見てきた。


「本当小せぇな」
「あの、沖田さん。面接ではありがとうございました。わたし…、オレが入れたのは、沖田さんがあそこで一言仰ってくれたからで…」
「ん?あぁ、そうだったっけかねィ」


ずっと言わなきゃと思っていたお礼を言うと、沖田さんは笑顔を向けた。


「つまりお前がここにいるのはオレのおかげ。今日からお前はオレのパシりでィ」
「……え?」
「とりあえず肩揉んでくだせぇ」




真選組1番隊隊長パシりとしての日々の始まりであった。


つづく


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長夢
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