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「っは」
「遅い」
「っ‥」
「がら空きでさ」
「っ痛」
「目ぇ瞑るな」
剣の強者の沖田さんと稽古なんて最高だなと浮かれていた自分をビンタしたい。
沖田さんとの稽古が始まり3日が過ぎた。
厳しい。
ひたすら厳しい。
剣は昔高杉にも習っていたが、高杉よりもずっと厳しい。
沖田さんは毎晩私の足が立てなくなるまでずっと剣をふるってきた。
沖田さんのドSっぷりに私は本当にヘロヘロだった。
「何回言わせるんでさ、身体と剣のタイミングがあってねぇ」
「っ‥はい」
「その胸についてる肉が重りになって邪魔なんでさ、削ぎ落とせ」
「いや、流石にそれは‥」
「ほら、またダメでさ」
「痛っ」
沖田さんから本日13回目の面うちをくらう。
以前なら寸止めしてくれたが、この夜間稽古が始まってからは沖田さんは容赦なく私に竹刀をぶつけてきた。
既に私の顔も身体も痣だらけだ。
顔面をパァンと打たれて座り込んだが、沖田さんから「立てよ」と声がかかる。
頭がくらくらするも何とか立ち上がろうとしたら突然大きな手が視界に入ってきた。
「っ、土方さん!」
「おう、最近名字の怪我が凄ぇと思ってたら総悟だったのか」
土方さんも稽古をつけにきたのだろう。
私の上半身を抱えて起こしてくれた。
「土方さん、手助けしないで下せぇ」
「面倒くさがりのお前が後輩の特訓なんて珍しいじゃねぇか」
「男装が弱っちいんで嫌々やってんでさ。もう1番隊離れるよう説得してくだせぇよ」
「は、離れません!」
「はは、お前ら二人ともほんと頑固だな」
土方さんは笑っているが、こっちとしては笑い事じゃない。
1番隊を抜けるか、この厳しい特訓に耐
えるかどちらかなのだ。
「‥絶対もっと強くなりますから」
「望むとこでィ」
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