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「オレに頭打たれすぎて馬鹿になっちまったかねィ?」
「な、なってるかもしれません」
「いうて元々馬鹿だしな‥」
「っもう、なんですか」
「仕方ねぇから‥もう少し1番隊で面倒見てやりまさ」
「えっ」
沖田さんにゆっくりと頬を撫でられた。
触られると傷が痛む。
「馬鹿なお前にゃオレが必要だろィ」
沖田さんはくしゃりと笑った。
初めて沖田さんの屈託のない笑顔を見た。
窓の隙間から朝陽が射し込んで、それは何だか地球が始まるみたいにとっても眩しくて、その表情をまばたきもせずに見つめてしまった。
もっとこの人のこんな笑顔が見たい。
役職も責任も取っ払って、素の表情を出してほしい。
心臓がぎゅう、と潰れそうになる。
(私、何考えてるんだろう‥)
ハッとして顔が一気に赤く火照った。
「何だお前、全然顔の腫れが治ってねぇな。随分赤ぇや」
「っ‥は、い」
どっ、どっ、どっ、と心臓が鳴る。
その鼓動に反応し、傷もズキン、ズキン、ズキンと鈍い痛みを響かせた。
ーーー
「お、頑固比べは名字の勝ちか」
久しぶりに沖田さんと一緒に朝食を食べていたらその様子を見て、土方さんが声をかけてきた。
「勝ちも何も、オレが寛大な広い心を持ってるだけでさ」
「あの総悟が折れるなんて名字も相当頑固だな」
「心配な上司を持つとなかなか離れられないのです」
「はは、総悟。いい部下持ってんな。1番隊外れるようなことあったらオレんとこ回せよ」
「残念ながらもう男装は永久に1番隊でさ。コイツ、オレの隣を離れたくないらしいんで」
「えっ、ちょ、もしかしてあの時起きてました?聞いてたんですか?ねぇ」
朝、どうやら狸寝入りをされていたようだ。
恥ずかしくて死にたい。
焦る私に悪戯そうに笑う沖田さんの顔を見て、また私の心臓はどっ、どっ、どっ、と高鳴るのだった。
つづく
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