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ー13話
傷も癒えてきた今日この頃。
銭湯から帰って来た後、部屋の隅に見慣れない紙袋を見つけた。
少し考えて、以前小太郎にもらったものだと思い出す。
そういえばこれをもらった当日は沖田さんが怒っていて、中身を確認する暇もなかった。
紙袋を開けると女物の洋服が入っていた。
喫茶店のウェイトレスのようなレースをあしらったワンピースだ。
(アイツ、相変わらずファンシーなのが好きだな‥)
小太郎は昔から私にヒラヒラの服を着せるのが好きだ。
たまには女物の服も着てみようかな、と思ったが沖田さんに見られたら絶対に馬鹿にされる。
沖田さんの部屋をのぞくと不在だった。
そういえば今日の夜、幹部達は長官に呼び出され接待だと言っていたのを思い出す。
今しかない。
しゅるしゅるとサラシを外してワンピースに袖を通す。
(小太郎って何で私のサイズを知ってるんだろう)
小太郎からもらう服は袖の長さからバスト、腰回りまでいつもぴったりサイズだった。
多分オーダーメイドなんだろうな、と「KATSURA☆JOY」と洋服の首元についていたタグを見つけ確信する。
普段男物の着物ばっかり着てるので久しぶりにワンピースを着た。
何だか胸元も足元もスースーするがやはり嬉しい。
「名前〜」
「っ!!」
その時部屋の穴から沖田さんの声がした。
本当にこの人は何てタイミングで帰ってくるんだ。
慌てて敷いていた布団に潜り込んで身を隠した。
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