1

17話


「ねぇねぇ最近なんか沖田さん変じゃない?」

朝ご飯の時に山崎さんにそう言われた。

「今朝も早番の巡回ちゃんと行ってるんでしょ。あの人今まで早番なんて全部サボってたよ。」
「…そうですか」
「あれ、男装君なんか…」
「なんですか?」
「いや、なんか…その、綺麗になったね」
「は?」
「あ、ごめん。変だね。男の子に…」
「え、あ、…え、はい」


山崎さんは顔を真っ赤にして笑っていた。

「あ、で、沖田さんさ、なんか高杉が江戸にきてるって話があってから焦ってるっていうか…」
「…」
「らしくないよね」
「確かに、なんか変です。」


沖田さんが真面目になった。
見回りを怠らず、情報収集に励み、剣の鍛錬にも励んでいた。
多分、これは良いことなのだろう。
でも何だか私には沖田さんが生き急いでいるように見えて、心が少し曇るような感じがした。






/


戻る

長夢
TOP