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約束の日が来た。
夜に屯所を抜け出して高杉と船に乗る予定だ。
真選組から勝手に脱退して、高杉側につくなんて局中御法度もいいとこだ。
「勝手ながら脱退させてもらいます。
今まで本当にありがとうございました。ごめんなさい。」
事情を知られる訳にはいかないのと、こういう時に限って言葉が思い浮かばず、単純な手紙しか書けなかった。
私はこれから皆を裏切る。
次に真選組の皆と会うことがあったら、その時は敵同士だ。
ーー
夜、沖田さんがご飯を食べに行ってる間に机に手紙を置いた。
隊服を脱ぐ。
隊服に初めて袖を通したときは嬉しかったな。
せっかく私のために特注のサイズ作ってもらったのにこんな形になって‥、と考え始めた瞬間に涙が出てきた。
最初は高杉を止める目的で入隊したけど、ここに来て、私は本当に楽しかった。
ここでの生活を振り返ると何でか全部沖田さんがいる。
(あぁ、本当に世話がやける上司だったなぁ)
私が高杉の近くに行くからには、絶対真選組に今後手を出させないし、ヤツの攘夷活動も内部から止めてやろう。
(皆は私が守ってやる。まだ、諦めるもんか)
脱いだ隊服を握りしめながらそう強く思った。
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長夢
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