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「まだ泣いてんのかよ」
「‥違う男の名前を呼んでる女、よく抱けるね」
「あ?こんなん最初で最後だ」
言葉や表情とは裏腹に高杉は今までになく優しく私の身体に手を滑らせる。
「もうお前は抱かねぇよ。最後の夜をよく覚えとくんだな」
「っ、あ」
心が沖田さんでいっぱいで、高杉のことまで考えられない。
どうやって自分を保てばいいのか分からず強く高杉の肩を掴んだ。
高杉の肩から血が滲む。
声も抑えられずまるで悲鳴のように部屋に響いた。
深くて辛い悲しみと、後からどんどん押し寄せてくる快楽を、いったりきたりと舟を漕ぎ、涙とあえぎを繰り返す。
高杉はただそんな私を支えるように強く、そしてとろけるように温かく抱いてきた。
サラサラの黒い髪が私の目の前で揺れるが涙でよく見えない。
懐かしい香りと汗ばんだ肌質。
忘れかけていた昔の記憶。
私はこの人に恋をしていた。
「高、杉、ごめん‥ごめんね」
「やっと、オレの名前呼んだと思ったら謝んのかよ」
「っ、あぁっ、ん、‥高杉、」
「‥名前」
「っ‥んんっ、やっぁ、あ」
「なぁ、名前」
「え、な、に…」
「 」
高杉の言葉は、聞こえなかった。
高杉は止まらぬ私の涙を何度も一生懸命拭っては、朝まで同じ体温を重ね合わせた。
つづく
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