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ー23話
朝起きると顔も身体もぼろぼろだった。
ついでにいうと心も。
高杉に抱かれながら沖田さんの夢を見た。
最悪だ。
気だるいままに目を覚ますとベッドに高杉はいなかった。
私は裸のままで、昨夜高杉に抱かれながら途中で意識をなくしたことを思い出す。
鉛の如く重たい身体をどうにか起こすと高杉はキセルをふかしながら窓の外を眺めていた。
窓の外には濃紺の宇宙が拡がっていた。
「なぁ、あそこ見ろよ。あぁやって銀河ではよ、星が生まれたり死んだりしてんだぜ」
「‥」
高杉がクイッと目線を投げた先では砂を巻いたような星達が見えた。
「星ってのは宇宙にあるガスとチリで出来てんだとよ」
「‥綺麗だね」
高杉は少し子どものような顔にも見えた。
うずまき銀河がその名の通りぐるぐると無数の星を渦巻いている。
ぼんやりそれを見ていたら高杉はゆっくりと私に近づき、そっと前髪に触れた。
ふ、と私が見上げると今まで見たことのない、優しい瞳をしている。
その瞳の中にはさっき見た星雲がなんとなく映っているように見えた。
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