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ー26話


部屋に戻ると沖田さんがいた。
珍しく真面目に反省文を書いているようだった。


「遅かったな」
「なんか宴会になっちゃって…」
「ふぅん」


いかにも不機嫌ですよ、という顔をして沖田さんはそっぽを向いた。

「は、反省文…書けました?」
「反省してねぇのに書けるかよ」


沖田さんはそう言ってゴロンと寝そべった 。
座る私の太ももに頭を乗せる。

膝枕をすると沖田さんの顔がよく見えた。
じっと見てると照れたのか少し目線をずらされた。


「なんでィ、じろじろ見んな」
「あの、ありがとうございました。迎えに来てくれて」
「…おぅ」

少し恥ずかしそうな沖田さんが可愛くてつい頭を撫でた 。

「あのな、オレぁ見上げるより見下す方がいいでさ」

そう言うとクルリと体勢を逆転される。

「あ…」

沖田さんに覆い被さられ、 目が合う。
恥ずかしい。

今までだって、何回もこういうことをされてきたが、お互い同じ気持ちだと分かるだけでこんなにも違うものか。

胸の高鳴りを感じながら沖田さんを見上げる。

長い睫毛、とろりとした二重瞼。
嬉しそうに小さく笑う口元が見えて、一層胸の温度が上がった。


「……キスしていいかィ?」
「い、今更聞かないでくださいよ」
「同意のもとしたいんでさ」
「恥ずかしいからやめて下さい」
「恥ずかしがってるとこ見せてくだせぇ」

ニコニコ笑いながら沖田さんはちゅ、と私の鼻にキスを落とした。
そのまま頬に、唇に、首に沢山のキスを降らす。


「ん、」
「名前は耳が弱いでさ」
「、やっ、」


もぞもぞ首もとで動かれるとくすぐったい。
リップ音が響き身体がゾワゾワーッとなり、つい震えた声が出る。


「ひゃぁ」
「ハハ」
「笑わないでくださ、っん、」
「ここは?」
「あっ…」

沖田さんはそれは楽しそうな表情を浮かべながら笑っていた。


「沖田さん、いじわるっ…」
「お前ももっとスイッチ入れなせぇ」
「な、何言って…」
「さーて、名前のやる気スイッチ探すか。どこかねィ」


もぞもぞと隊服に手を入れられる。


「んぁっ」
「サラシ、やめたんかィ。もう女って隠さねぇもんな」
「っ〜む、胸触らないで下さい、」
「嫌でさ、」
「あっ、やだぁっ…」
「ふぅん、ここかィ」
「やだやだっ」


沖田さんは私の胸を撫で回しながら耳に舌を這わす。
甘く痺れる感触とくちゅくちゅという音が脳内に響く。

訳もわからず甘い声が出た。




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