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「この人は私を助けてくれたんです!」
助けた女の人が必死にお巡りさんに、掛け合ってくれたが私は今パトカーに乗せられている。
逃げようと抵抗してみたものの呆気なく制服を着た金髪の人に捕らえられてしまった。
「お嬢さんが本当にあのバカ王子のペット切ったんですかィ?」
「‥‥」
「総悟、バカ王子じゃねぇよ」
パトカーで移動中、黒髪の人が運転し金髪の人が私の横に座って質問を受けた。
「なんか言ってくだせぇよ」
「か、帰らせてください」
「安心しろ。バカ王子がうるせぇから建前で連行してるだけだ」
「土方さん、バカ王子じゃねぇですぜ」
土方という名前は私も聞いたことがあった。
たしか真選組の副長の名前だ。一気に緊張感が高まった。
「っ、」
「ほら土方さん怖いから怯えてまさァ」
「そんなことねぇだろ。あー、とりあえずよ、お前には悪いけど上との兼ね合いもあるから屯所まで来てもらうからな。」
「そもそもあっちが悪いのはオレらも分かってまさ。あのペットも致命傷じゃなかったみたいですしねィ。心配しないでくだせぇ」
真選組の屯所なんて敵の本拠地じゃないか。
「帰らせてください!」
「いや、だから明日には解放するからよ」
「明日!?」
「一応一晩は身柄を預からせてもらわねぇと‥。ちゃんと部屋も飯も用意するからよ」
どうしよう。
帰らないと晋助は心配するだろうか。
いや、心配‥してくれるだろうか。
もう呆れられて捨てられてしまうかもしれない。
「帰りたい‥」
「えっ、泣いてる!?泣いてるぞ!?オイ総悟なんとかしろ」
「オレぁどエスなんでそういうのはちょっと‥。こんな可愛いお嬢さんの泣き顔なんて最高でさ。なんなら3日3晩拘束してやりてぇや」
「うわあああ」
「総悟!悪化させてんじゃねぇ!」
泣き声を響かせながらパトカーが屯所へと着いた。
つづく
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