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―4話


ずっと子供扱いされていたのと、
高杉が私みたいなガキといるという噂がチラホラたっていたので、
あまり一人で出歩くことはなかった。


晋助たちが会合でいない日、外国の商人が市場を開くということを知り一人で行ってみようと考えた。


一応の護身術は心得ているし、晋助達が帰るであろう夕方までに帰れば問題ないだろうと思い、賑わう出店を見て回る。

今まで興味のなかった化粧品や飾り物などが視界に入った。
ひとりでそれを見ていると何だか大人になった気分になる。

「これ下さい」

色々見てみたが結局買ったのはチョコレートだった。

(あとでみんなにあげよーっと)

自分が一人で行ったと言ったら皆びっくりするだろうか。その顔を想像し、少し口元が緩んだ。

香水も売られていたが、先日会った女の人を思い出すのですぐその場から離れた。


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「キャーーー!」

人をかき分け歩いていると突然悲鳴が聞こえた。声の方を見ると若い女の人が何かに襲われいる。
人間でないその容姿から宇宙から来た生物なのは明らかであった。
初めて見るその姿に少し悪寒がした。
何本もある足が女の人へと向けられる。

「危ない!」

名前は咄嗟に護身用の刀でその生命を叩き切った。

「あ、」

女の人は無事であった。それと同時に謎の生命が音を立てて横たわる。

「にょー!余のペットがー!」

また変なものが現れた。
頭に謎の物体が生えている。
顔色が悪そうだったが、それは青ざめているのか元々そうなのが分からなかった。

ざわざわと人が集まってきた。犯罪者の一味として目立ってはいけないとこれまで何度も言われてきたのに、大勢の人の注目を浴びている。

「どうしよう‥」
「余はハタ王子ぞ!誰かこの無礼者を捕らえよ!」

あっという間にファンファンとパトカーが来る音が聞こえた。

(私、逮捕されちゃうのかな)

おろおろとしていたら黒い制服の人達がパトカーから降りてきた。


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長夢
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