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ー10話

皆が帰ってこない。

家を空けるのはいつもは長くても1ヶ月ぐらいだが、今回はもう2ヶ月ほどが経過していた。



そこからまた数週間が過ぎ、流石に心配になってきた。

晋助に会いたい、と置いていった着流しを抱き締め眠る日々が続く。


また変に外に出て迷子になっても困ると、晋助はお守り役の仲間達に私の外出には気を付けるよう伝えていた。

お陰で探しにいくことも出来ず、ぼんやりと帰ってこないか窓から外を眺めて頬杖をつくくらいしかできない。


(あ、あの人‥)


夕暮れ窓からいつものように外を眺めていたら通行人の中にひとりに、目立った髪色をした人が見えた。
追いかけようと慌てて表に飛び出す。


「あ、あ‥待って!坂田さん!」

名前を呼び着物の裾を掴む。
くるっとした銀色の髪を揺らし坂田さんは驚いた顔で私を見た。


「ん?あれ、お前確か‥」
「晋助が‥帰ってこないの」



結局晋助と坂田さんがどんな関係か教えてもらっていない。
それでも今の私にとって坂田さんは晋助についての大事な手がかりだ。


「高杉‥いねぇの? 」

こくりと頷くと坂田さんは少し困ったようにため息をついた。

「あーどうすっかなァ〜、高杉に関わるとロクな事ねぇからな〜」
「‥坂田さんも知らないんだ」
「ちょ、そんな瞳で見ないで、分かった。分かったから探すから」
「え、探してくれるの!?」
「オレ万事屋やってんだよ。ご依頼承りました」


そう言って坂田さんはへなっと笑った。
晋助と旧友のように話していたが晋助とは全然違うタイプの人のようで驚いた。




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