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お守り役の仲間に行き先を告げて、坂田さんと万事屋へと向かった。
歩きながら坂田さんは少し気まずそうに私に話しかける。
「なぁ、お前も一応顔隠した方がいいの?」
「いや、私は真選組以外には‥」
「え、真選組って、、」
坂田さんはそう言うといきなり私を抱き締めた。
「あ、‥あの、‥」
「ちょっとタンマ。顔、隠しとけ」
晋助以外の人に抱き締められるなんて生まれて初めてだ。
どうしていいか分からず坂田さんの腕の中で目をパチパチとさせた。
骨が細い晋助に比べて坂田さんはがっしりとしていて、着流しからはイチゴみたいな甘い匂いがする。
「あれ旦那、何道中でいちゃついてんでさァ」
視界は坂田さんで埋まっていて、何も見えなかったが背後から声がした。
何だか前にどこかで聞いたことある口調だ。
「土方さん、見てくだせぇよ。旦那がいちゃついてやがる」
「あァ!?万事屋おめぇ何してんだよ」
(土、方‥)
その名前を聞いて身体が強ばった。
坂田さんはそれに気付いたのかぎゅ、っと抱き締める力を強めた。
「あーもう、今いいとこなの。見りゃ分かるだろ。あっち行って」
「お前その女‥」
「‥何?」
「未成年じゃねぇだろうな」
「いやいや、オレ別にロリコンじゃねぇから」
坂田さんはのらりくらりと言葉を交わし、真選組を追っ払った。
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