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1週間後、坂田さんが家へと来た。

客間に案内してお茶を出す

「なんのお愛想もなくてすみません」
「お前の住みか本当分かりにくいな。迷子になったわ」
「私もよく迷子になります」
「窓も外からは見えないようになってんのな。高杉の考えそうなこった」


坂田さんはお茶をすすり、
「高杉絶対怒るからオレがここに来たことは内緒な」とニヤリと笑った。


確かに晋助に言ったら怒りそうだ。


「とりあえず重要参考人がいるからちょっと万事屋来てくれる?」
「‥重要参考人?」

万事屋につくとものすごい地響きが響きわっていた。
壊れた玄関から新八君が出てくる。


「銀さん、ダメです!」
「やっぱりダメだった?」


中から神楽ちゃんの声が聞こえる。

「何でいるネ!バカ兄貴!」
「呼ばれたんだよ、そこのちゃらんぽらんに」


兄貴ということは神楽ちゃんのお兄さんだろうか。三つ編みを下げた男の人が神楽ちゃんと取っ組み合いをしていた。


「はいはい、コレあげるから大人しくしてね」

坂田さんが冷蔵庫から出した大量の食材を机に並べるとふたりは黙って席に着いた。



「で、シンスケの居場所ね」
「早く言ってさっさと帰るネ」
「先週会った時なんか探し物してるって言ってたよ」


二人は次々に目についた食事を平らげていく。


「探し物‥?」
「あれ、おねーさん‥」

神楽ちゃんのお兄さんと目が合う。

「おねーさん月光族でしょ。珍しいね」
「‥月光族?」
「まだ生き残ってたんだ」

この人は何を言ってるんだろう。

「わ、私?」
「月光族、高く売れそうだな〜。狙われちゃうかもね」
「月光族って‥なんですか?」
「天人だよ。と言っても全然能力とかなくて、もう絶滅しちゃってるって話だけど」
「天、人?私が?」
「その金色の瞳ぐらいしか特徴ないけどね。あ、あと夜兎はなつきやすいかな。いい匂いするんだよネ〜。間違いないよ」
「名前にくっつくんじゃないアル!」


私が‥天人‥
あれ、晋助が昔出てた戦争。
あれは天人を追い出すためのものじゃなかったろうか。
私がその天人。晋助が恨んでいた天人。


「わ、私っ‥」
「え?名前?」
「どこ行くネ!?」


いてもたってもいられず、気づいたときには万事屋を飛び出していた。


(どうしよう。
晋助に知られたら、きっと軽蔑される‥)



無我夢中で走っていたら誰かにぶつかった。
反動でしりもちをつく。


「っ、ご、ごめんなさ‥」
「いや、大丈夫か?」
「っ‥」


目の前にいる男は驚いたように瞳孔の開いた瞳でこちらを見ていた。


「お前‥高杉の‥」


最悪だ。


つづく




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