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久しぶりに晋助の腕の中で朝を迎えた。
二人して一糸纏わぬ姿で抱き合ったまま眠っていたようだ。

晋助は長旅で疲れていた割に、気づけば一緒に夜明けを迎え、数えきれないほどの口付けをした。

首も身体も晋助の落とした跡が華のように散らばっている。


晋助は私を抱き締めたまま静かな寝息をたてており、布団の脇には寝間着があちらこちらに舞って、窓から差し込む朝陽を浴びていた。


まだ覚めぬ頭をぼんやり動かして眠る晋助の頬にキスをする。

晋助はピクリと動き、私の髪に鼻先をつけて再び強く抱き締めた。


結局プライドの高い晋助から好き、という言葉はもらえなかった。
しかし今まで以上に深く甘い昨晩の情事から伝わってきた彼の優しさは、私の不安な気持ちを拭うには十分だった。

もう一度晋助の頬にキスをする。


「‥ん?なんだよ」

晋助は一瞬ぼんやりと目を開けたが、またすぐに瞼を伏せた。


「あ、ごめんね、起こしちゃった」
「眠ぃ‥」


もぞもぞと私の胸元に顔を埋める。
唇が触れてくすぐったい。

晋助に甘えられるなんて珍しく、つい頭を撫でた。

大好きな晋助が私の腕の中にいる。
こんなに幸せでいいのだろうか。


気づけば腕をひかれ、唇を合わせられる。

そのまま晋助の手は伸びて、結局また甘い誘いへといざなわれていった。


つづく


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長夢
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