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「なんで一緒に寝たらダメなの?」

夜いつものように晋助の布団に入ろうとしたら出てけとつまみ出されてしまった。
ここに来てからずっと同じ布団で生活をしていたが、新しい布団が用意されていた。


「そっちで寝とけ」
「…だからなんで?」
「あんなぁ、男と女がやることは一つだろ」
「?」

珍しく晋助が困っている。前髪をかきあげ少し考えていたが、暫くしてドスンと布団の上に押し倒された。


「…?くすぐったいんだけど」
「いや、もう知らねぇ。考えてもよくわかんねぇ」

晋助が寝間着の中にスルスルと手を入れてきた。


「まぁ実践が一番分かるだろ」
「え?え?」
「安心しろ。オレはうまい」








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次の日の朝名前は枕を抱えたまま布団から出てこなかった。

昨夜のことは想像を遥かに越えるものだった。
変な体勢、変な声、変な感じ。自分が自分でないようだった。そして今まで全然知らなかった晋助を知ってしまった。

恥ずかしくて恥ずかしくて、もう全て忘れたい。
晋助の声や手を思い出しては顔が熱くなり手が震えた。




「いつまでそうしてんだよ、ガキ」


昼過ぎに高杉が部屋にやって来た。
名前は高杉の顔を見ることが出来ずそっぽを向いた。何故だか涙がポロポロとこぼれてくる。


「お前泣いてんのかよ」
「っ…」
「クク、男の布団に入るなって意味分かったろ」
「ばかぁっ」
「痛かったか?」
「うっ、うっ」
「クソ、泣くなよ」


晋助に布団ごと抱きしめられた。

「名前、お前もっと髪伸ばせよ」

耳元でそうポツリと呟かれながら細長い指でクルクルと髪を廻される。

「なんでよ…」
「オレぁ髪の長い女が好きだ」
「……」
「チョコやるからよ、もう泣くな」


そう言って枕元にチョコを置いていった。


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