「風見か、ああ…そうだ。」
というかなんか、前から思っていたけど安室さんはお兄ちゃんと話すとき人が変わったような気がする。いつもニコニコ胡散臭い感じなのに、何て言うか仕事ができる男、みたいな。お兄ちゃんも安室さんに逆らえないような感じだったし、もしかして探偵業に関係しているのかな。
「タイムリミットは1分、だそうです。」
「え、あ、」
「どうぞ。」
「…お兄ちゃん?」
『みのり、何か様だったか?』
「あ、えと、」
どうしよう、まだお兄ちゃんの声を聞くと泣きそうになってしまう。この間のことは夢じゃなかったんだ。
「お兄ちゃん!彼女っている!?」
「ぶっ、」
『…聞きたいことってそれか?』
咄嗟に出た質問が、昨日友人と話していたことしか思い出さず撃沈。(ついでに安室さんは吹き出すほどに笑っていた。)
「え、と、」
『…今は仕事が1番だから、そういう特定の人は作っていない。』
「え、」
『これだけか?』
「あ、…仕事は、楽しいの?」
『…ああ、誇りを持っている。』
「そ、っか…。よかった。」
『みのり、俺もお前とこうして連絡が取れることがすごく嬉しいんだが、もう安室さんの迷惑になるようなことをするな。』
「…じゃあ、安室さんに頼らなくてもお兄ちゃんと連絡が取れるようになりたい。」
『…俺の連絡先を教えることはできない。』
「どうして?」
『理由は言えない。』
「…じゃあ私は、今後も安室さんを利用するよ。」
電話越しじゃない、私は安室さんをキッと見るとやってみろよと言わんばかりにニヤっと笑っていた。
『みのり、頼むから安室さんに余計な時間を、』
「はい、終わり。」
「あ、ちょっと安室さん!!まだお兄ちゃんと話してるんです!!」
「1分だって言いましたよね?」
「やだ!!返して!!」
「風見、…ああ、いいよ。じゃじゃ馬娘を相手にするの、退屈凌ぎにはなるさ。…ああ、明日はそちらに行く。じゃあな。」
明日は、そちらに行く?もしかして、安室さんについていけば明日お兄ちゃんに、会える…?
「何か考えてる顔ですね。」
「え!?」
「…君の観察眼は冴えているのに、君自身は顔にでやすくて素直な人間だ。」
「……それが安室さんの本性ですか?」
ああ、一瞬まつ毛が揺れた。この人は何かの理由で猫を被っている。安室透、とはつくられた人間なのかもしれない。
「さあ?暴いてみる気になりました?」
「…別に安室さんには興味ないです。でも…それがお兄ちゃんに繋がるのなら、私はあなたをの本性を引きづり出します。」
「…ふふっ楽しみにしてますよ。」
また胡散臭い笑顔を見せた安室さんは、私の頭を撫でポアロへと戻って行った。