あれから、安室さんは私に業務以外のことで話しかけることはなくなってしまった。あの日の話をしようとすると、直ぐにはぐらかされてしまう。安室さんにとっては、なかったことにしたいことなのかな。
「ハア…。」
気が付けば仕事がない日も1日中安室さんのことばかり考えてしまう。つい最近まではお兄ちゃんのことしか考えてなかったのに、恋は盲目だ。
気晴らしに買い物でも行こう。そう思って私は身なりを整えて駅近くの大きなデパートへと足を運んだ。
「あれれ〜?ポアロのお姉さん?」
「…君は、確かコナンくん、だっけ?」
「そうだよ!今日は1人で買いもの?」
「うん、コナンくんは?毛利さんと一緒じゃないの?」
この子は毛利さんのところに住んでる江戸川コナンくんだ。安室さんと仲が良くて、私は実際1回しか挨拶をしてないんだけど覚えててくれたんて少し嬉しいな。
「今日は、」
「コナンくん、こっちは大丈夫そう…みのりさん?」
「あ、安室さん…。」
「あれ?もしかして2人ってあまり仲が良くないの?」
まさかコナンくんと一緒にいるのが安室さんとは思わなかった。安室さんは私を見ると一瞬眉間にしわを寄せて睨んだようにも見えた。そんなあからさまな態度しなくてもいいのに…ああ、また胸が苦しくなってくる。
「そんなことないよ。ねえみのりさん?」
「…はい、いい仕事仲間として付き合ってもらってます。」
「……。」
「へえ〜(なんだこの重い空気。)じゃ、じゃあ行こっか安室さん!」
「そうだね。あ、みのりさん、もうすぐに帰った方がいいと思いますよ。」
「え?いや、」
「帰ってくださいね。」
自分とコナンくんがここにいるから、お前はいるなってこと?その視線に耐えきれなくて、私はさようならと言って2人の前から走り去った。
怖い、もうこれ以上安室さんに嫌われたくなのに、話せば話すほど溝ができそうで…怖い。
私はショッピングモール内のトイレで気の済むまで落ち込んでいた。
まさかその間にショッピングモール内に爆弾が仕掛けられたと騒がれていることも知らずに。