「ここには爆弾犯がいて危険だから早く帰れって言えばよかったのに。」
「…そんな馬鹿げた話、一般人である彼女に言えないだろう。」
まさか彼女がここにいるとは思わなかった。
毛利探偵事務所に爆弾予告FAXが送られてきて、俺とコナンくんは毛利さんとは別行動で指定先であるショッピングモールに来ていた。
多くの人で賑わうここを選ぶ犯人は、極めて悪質だ。本当に爆弾が仕掛けられているかは分からないが、もし本当だったら大事なことである。
それに、彼女を巻き込むわけにはいかない。事件や事故に巻き込まれることなく、平和に生きてほしいんだ。
「安室さんって女の子の扱い上手いのに、風見さんには下手なんだね。」
「…そんなこと、」
「だっていつもならきっと『あちらのお店、行きましたか?おすすめなのでぜひ行ってみてください』とかなんとか言ってここから追い出すこともできただろうに。」
「……。」
「もしかして安室さん、本命には振られるタイプ?」
「うるさいよ、コナンくん。」
こんな子供に墓穴を掘られるようなこと言われて恥ずかしい大人だ。しかもこの子には弱みを握られるようなところ見られたくなかったのに、くそ。
コナンくんは明らかにニヤニヤとしていたので、俺はそのほっぺたをぐいっと引っ張った。
「いひゃい、」
「もうこの口で彼女のことに関して喋らないように。」
「わあったって、」
「…ハア、全く緊張感に欠ける。」
「安室さんでもそうなるんだね。」
「いいから行くぞ。あのFAXを見る限り怪しい個所はあと2つ残ってる。」
「そうだね。」
今は爆弾が1番だ。警察の誘導もあり人が徐々に減ってきたモール内をコナンくんと走り抜ける。絶対に犯人の好きにはさせないさ。
「コナンくん!こっちにあったぞ!」
「本当!?」
「大丈夫だ、このタイプなら直ぐに、」
「いや待って。…この文面、どういうことだ?」
「…1人の命を犠牲にするか、ホールを木端微塵にするか決めるのは自由。お前らがこの爆弾を止めたことが分かった時、モール近くで1人の犠牲者がでる。その1人はホールにとって神となるだろうって。」
「…無差別殺人予告。」
「クソッどうすればいいんだ。」
ふと彼女の顔が頭を過ぎった。早い段階で帰れと言ったから、きっと大丈夫。大丈夫だろうと信じたい。
「とにかくモール周辺に人が残らないよう警備を強化するよう警察に伝えて、俺は爆弾の解体に取り掛かる。」
「うん、恐らく犯人は、」
「ああ。あいつだ。コナンくんはそいつを追ってくれ。」
「わかった!何かあれば電話する!」
「頼むぞ。」
直ぐに爆弾の解体処理に取り掛かった。