安室さんって、

「それで?みのりが聞きたそうにしてたのは何だ?」
「…え?そ、そんなの別に…、」
「ないとは言わせない。君は分かりやすいんだ、観念して話すのが賢明だよ。」

やっぱり安室さんに隠し事は通用しないらしい。でもどうしよう…もし言ったとして、お兄ちゃんは怒られないだろうかと色々考えてしまうと痺れを切らしたのか安室さんは私の腕をひっぱり寝室へと引っ張った。

そしてあろうことか、そのままベッドに押し倒れたかと思えば天井と安室さんで私の視界がいっぱいになった。この状況が、どういう状況なのかというのは処女の私でさえわかる。

「あ、安室さん、」
「答えてくれないならこのまま食べちゃうかも。」
「っ冗談、やめてくださいっ」
「…冗談に聞こえる?」

安室さんは私の首元に顔を埋め、その唇が首に触れ軽く吸われた。ちくっとした痛みがあって、あ、多分これキスマーク付けられたんだと察すると同時に首をペロっと舐められた。私は想像外の出来事にビクっと体を震わせた。

「あむ、ろさん、」
「言わないなら進めるけど。」
「っ…、」
「何も言わないんだ。ひょっとして少し期待してる?」

私は否定して首を振るけど、厭らしくゆっくりと安室さんの手が上から下を這う。私は思わずギュッと目を瞑ってしまう。どうしよう、このまま本当に安室さんと…、キスだってあの時からまだしてないのに。

「みのり、」
「っい、言います!」
「……。」
「言うから、やめてっ」
「……。」
「まだ、安室さんと、キスも2回しかしてない、し、私初めてで、まだ心の準備もできてないから、こんな感じで先に進むのはやっぱり、」
「わかった、わかったから。…ごめん、もう可愛すぎ。」

そう言って安室さんは自分の顔を手で覆い、私の上から退いた。私はすぐさま体を起こし、前髪を整えるようなしぐさをしながら顔が火照ってるのを誤魔化した。

「で?何?」
「……お兄ちゃんのこと、怒らないって約束してくれますか?」
「…内容によるな。」
「え…。」
「はは、わかったよ。そんな不安げな顔をするな。」
「…約束ですよ。」
「ああ。」
「…安室さんって、警察の方なんですか?」

そう問いただせば、安室さんは一瞬こめかみをぴくっと震わせ、一気に冷めた空気が流れた。

だけどどうしてか、いつものポアロで出してる明るい雰囲気よりこちらの空気感の方が彼に合っている気がした。