寂しいから早く帰ってきてだなんて言われると思わなかった。正直ドキッとしたし、早くその姿を見たいと高まってしまった。
念のための監視のため、彼女と一緒に生活を共にすることにしたものの、結構楽しみにしている自分がいた。その証拠に安室の家ではなく降谷の家にしたのもその証拠だ。それこそが俺なりの彼女に対する信頼の証だと思っている。
こんなに誰かを大切に思うのは久しぶりだった。
いつものことが、まるで特別なことのようだった。車を停め、家の鍵を掛け扉を開く。
「…何してるんだ、この子は。」
何故か玄関で体育座りをして顔を埋めてる彼女の姿がそこにあった。眠ってしまっているようだが、風邪を引いたらどうするんだ全く。
「みのり、」
「ん…、あ、れ、」
「こんなところで寝るならベッド使ってくれ。」
「あ、降谷さんっおかえりなさい!」
「…ああ、ただいま。」
お帰りと言われるのはいつ振りだろう。ニコニコと笑う彼女がどこか眩しい。俺は彼女の後ろをジャケットを脱ぎながら歩いた。
「降谷さん、荷物ありがとうございます。」
「ああ、急だったのに対応してもらって助かったよ。」
「いえいえ。あ、降谷さんご飯食べましたか?」
「いや、まだだが…。」
「よかった〜、ごめんなさいキッチン使っていいのか分からなかったから火を使わないものしか作れなかったんですけどもしよければ一緒に食べませんか?」
そこに並んでいたのはシリコンスチーマーに並んだ色とりどりの野菜と角煮と大根煮、それにおしんこが並んでいた。
「すみません、レンジだけ借りたんですけど…。」
「これレンジで作れるのか。」
「角煮もこのスチーマーがあれば簡単楽々なんです!あ、これは私の持参というか降谷さん家に行く前にスーパーで売ってて買ったやつで、」
「ありがとう。手を洗ってくる。」
「は、はいっ」
俺はにやついた顔を引き締めるために洗面台に移動した。ふと鏡に映る自分の顔がだらしない。これが公安で働く男の顔かと疑うほどだ。
正直、一緒に住むということはそういうことをする流れになるタイミングが増えるということに期待をしてる自分もいた。彼女には経験がない、そして何より10代の女の子ということに今までは躊躇いがあったけどもう手を出してもいいだろうか。
「ハー…、」
悪い、風見。妹をいただくぞ。