最近、前と比べてポアロに入るシフトが減った気がする。
「店長、何か私シフト少ない気がするんですが…。」
「え?みのりくんが言ったんじゃなかったかな…?あれ、安室くんから聞いたのか…。」
「…安室さんはなんと?」
「最近家のことが忙しいからなるべくシフトを減らしたいと。」
「…(降谷さんめ、勝手に店長に言ったな…。)」
「どうする?増やすならそうするけど。」
「あ、えっと…少し相談させてくださいっ」
「もしかして相手でもできたのかな?」
「いやっえとそういうことではなくて、」
「はは、わかりやすいなあみのりくんは。」
ランチ後の昼下がり、私は店長と2人で平和な店番をした。今日はシフトが18時までだったため、タイムカードを切った後晩御飯の材料を買って家に帰宅した。
今日は何を作ろうかな〜とネットで調べようとしたら降谷さんから連絡が入っていた。
【今日は20時には帰れそう】
「やった、いつもより早いっ!」
私は了解ですと返信をして鼻歌交じりで料理を作る。今日はふわとろ親子丼と大根サラダとお味噌汁、そして食後には今日ポアロで試作品としてつくったコーヒーゼリーだ。
好きな人を思いながら作る料理は楽しい。いつか降谷さんとお兄ちゃん3人で一緒に食べれる日が来るといいなあと夢見ていた。
ガチャリと玄関の扉が開く音がした。
まるでご主人様が帰ってきたときの猫のように、私は走って玄関まで向かった。
「おかえりなさいっ!」
「ただいま。」
「もうすぐご飯できますけどお風呂先に入ってしまうとベストタイミングかもしれないです。」
「じゃあそうするか。」
「はいっパジャマとか脱衣所置いてありますっ」
私はそれだけ伝えキッチンに戻ろうとしたら降谷さんに腕を引かれた。想定外のことに体がバランスを崩すも腰に腕を回され転ぶことは免れた。けど次の瞬間、目の前が降谷さんでいっぱいになる。目を閉じる暇もなくキスをされ、気が付いた時には離れていた。
触れ合うだけのそれは逆に妙に恥ずかしくて、「ただいまのキス、次はみのりからして。」という降谷さんの言葉を聞き終わる前に走ってキッチンに戻った。
あの人は自分の顔と声と、私の好きという気持ちを考慮して行動すべきだ。お味噌汁を温めながら顔の火照りを和らげるためぱたぱたと仰いだ。