あれから1ヶ月半。
何と私は手術をしてから1週間も寝ていたようで、それから毎日公安の人が来てくれたりして飽きの無い入院生活を送った。
もともと細っこかったから、血の量も普通の人より少なく本来であれば後遺症が残ってもおかしくないと言われていたものの特にこれと言った症状は出ず、何とか本日退院までこぎつけることができた。
そして処分も特になく、ただ1ヶ月はデスクワークを世に無くされた。でもまだここに席があるだけ十分だった。
ということで本日から再出発だ。
「おはようございますっ」
「ああ辻川ちゃん!おはよう!」
「辻川ちゃん!?今日から復帰か!」
「はいっすみません、長らくお休み頂いてしまって…。」
「むしろもう出てきて平気か?」
「はい、もう大丈夫です!」
「無理すると俺たちが降谷さんに怒られるから無理しない程度にな。」
「お菓子食べるか?」
皆さん忙しいはずなのに、温かく迎え入れてくれた。正直、少し泣きそうだ。
私は席に着くと、隣に着く風見さんと目が合った。
「おはようございます、風見さん。」
「ああ、おはよう。」
「お見舞い、ありがとうございましたっ。」
「いや、寧ろ一度しか行けなくてすまなかったな。」
「いやいや、お忙しいのに本当に申し訳ございませんっ。」
「もう平気なのか?」
「はい、大丈夫です。」
「そうか。」
「あと…あの時は、ごめんなさい。私の判断ミスで、ご迷惑を掛けてしまって…。」
「…もう過ぎたことを謝らなくていい。それに辻川の判断は俺の中では正しいと思っている。俺が先に気が付けばああしたさ。」
風見さんはふと笑うとまたパソコンに目を向けてしまった。やっぱり優しい人。
「ありがとうございます。またご指導、よろしくお願い致します。」
「ああ。それより降谷さんには挨拶に行ったのか?」
「あ、いえまだです。」
「もう執行室にいるはずだ。コーヒー持って行ってくれないか?」
「…はいっ。」
私は席を立ち、給湯室に向かった。