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生涯唯一本気で愛した女がいた。
当時彼女と俺は愛し合っていて、俺も周りの友人に彼女のことを自慢していた。可愛くて気遣いができて優しくて、自慢の彼女だった。
警察官は一生独身か、20代前半の早い結婚をする2パターンが多いと言われるため、俺は後者になるんだと思っていた。…ゼロの話を出されるまでは。
「君の正義感を私たちは買っている。君をゼロに迎え入れたい。」
「…ありがとうございます。」
「しかし知っているかと思うがゼロは思っている以上に厳しく難しい世界だ。いつ死ぬかも分からない。それに目の前の愛している女より、日本を取る決断をする場合だってある。…君は日本の為に愛する人を殺せるか?」
当時の俺にその言葉は重く、彼女を殺すくらいなら別れを切り出した方がましだと考え、彼女との関係にピリオドを打った。
勿論、簡単では無かった。彼女は俺に縋り、別れたくないと怒り、泣き付いた。その姿は悲痛なほど愛おしく、胸がはち切れる思いでいっぱいだった。嘘ばかり吐き、彼女を傷つけ最低な別れ方をした。これでよかったんだと自分に言い聞かせ、俺はゼロとして日本を背負う覚悟を決めたんだ。
あれから数年。
黒の組織も壊滅後、俺はゼロを解任され通常の警察庁上層部で本名として生きることを許され生活を送っていた。とは言え事件があれば現場へも向かったし潜入捜査だって必要な時には行った。
だからまさかこんなところで彼女と再会するだなんて、誰しもが予想だにしない。そう、潜入先の合同コンパ、所謂合コンという場所での再会だった。