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ここ1ヶ月、小さな案件だがそれが幾つも続き報告書やらに追われる日々が続いていた。それは俺だけじゃなく部下も同じで、風見と俺は既に4日も家に帰っていない状態が続いた。

「降谷さん、今日はお帰りになってください。」
「…そっくりそのままお前に返す。」
「上司が休んでくれないと部下は休めないんですよ。この報告書以外は急ぎではないはずです。これが終わったらお帰りになってください。」
「…わかった。では上司命令としてこれが終わり次第お前ら全員強制帰宅だ。」

そう言うと周りのやつらの目が輝き、今取り組んでいる仕事へのスピードが俄然早くなっている気がした。その後、異例の公安部が全員通常定時の18時に帰宅となった。

俺は愛車に乗り、久しぶりに自宅へと帰宅した。私用の携帯を久しぶりにチェックするとみのりから連絡が何度か入っていた。それを見て少し心が綻ぶ。とは言え4徹目。気持ちとは裏腹にかろうじてジャケットは脱いだもののスーツパンツも脱がずベッドに落ちると深い眠りに落ちていた。




*

「あー…しまった。」

目が覚めたのは朝4時過ぎ。帰宅してから直ぐに寝てしまったため、この時間まで眠り続けてしまったことに後悔をした。何よりみのりから連絡が入っていたのに、それに返事すらまともに返していなかったことが残念極まりない。

俺はシャワーを浴び、みのりに仕事で忙しく連絡がつかなかったという内容を送り朝ご飯を作る。もう一眠りしようかとも思ったが今日とて仕事だ。ポアロに潜入していた時に覚えた美味しいコーヒーの炊き方で豆を挽くところから準備を始めていた。

するとそれから30分後、また携帯の着信音が聞こえた。その相手は朝は苦手だと言っていた彼女からのものだった。

「もしもし?」
『あ、おはようございます。』
「おはようございます。朝早いですね。」
『…安室さんも、早いですね。』
「すみません、連絡が返せていなくて。」
『いいんです。』
「何か用がありましたか?」

何だか彼女の声が震えているように感じた。何かあったのは間違いないが、一体何があったというんだろう。

『最後にもう一度、お会いできませんか?』


その言葉に思わず息を飲んだ。最後、という言葉が引っかかって仕方ない。それに脈絡もないことは、みのりは言わない。必ず理由があるに違いない。

「いいですが、最後というのはどういう意味なんでしょうか?」
『…あー、えっと実は先週両親がお見合いをセッティングしてくれまして。その方と前向きに関係を築いていこうと思ったんです。』
「…ハ?」
『なので、そのお返事をする前に少し話がありまして、』
「……。」
『安室さん、いつごろでしたらお時間ありますか?』

会えずにいた1ヶ月でそんなことになっていただなんて予想していなかった。少なくとも2人でご飯に出かけて行ったりする度に期待してた。みのりはまだ、俺のことを好きでいてくれていると。

でもそれが見合い?前向きな関係?ふざけるな。

「今からそっちに行く。」
『へ?い、今からですか?』
「15分後には着くから待っていろ。」
『…あ、あの安室さ、』

俺は電話を切ってジャケットを羽織り家を出た。