上司の家でお泊りイベント
「なんか、すみません…。」
「気にするな。早く入ってこい。」
「は、はい。」
終電を逃す→タクシーで帰ろうとする→単純計算でメーターがかなり回ることが判明→近くのホテルに泊まることを決意→ならうちに泊まればいいだろう←今ここって感じでまさかの上司のお家に初★お泊り!…みたいな最悪なイベントが開催されてしまった。
先ほどまで楽しかったのい一気に緊張の空気が走る。
私はマンション下に入っていたコンビニで下着とメイク落としだけ買って降谷さんにタオルとジャージをお借りし先ほどいていた浴室にいた。まさか入るとはあの時は思わなかったのに、頭を抱える。
とは言えもう逃げも隠れもできないので私はいそいそとお風呂に入った。正直、バスタブが丸いことにびっくりして思わず写メを撮ってしまったことは内緒だ。
「ハー…。」
落ち着かない。いやもしかしたらある意味ここが落ち着くのかもしれない。私はこの後どうなってしまうんだろう。もしかして一夜の過ちを果たしてしまうのだろうか。先ほどまでほろ酔い気分だったのに思考回路はギンギンになっていた。
「お風呂、ありがとうございました。」
「…ああ。」
「?あの、なにか?」
「いや、別に。」
お風呂を上がりリビングのソファに座っていた降谷さんに声を掛けると何故か凝視され、それを問うとぷいっと横を向かれてしまった。なんだぷいって。そんなにすっぴんやばかったかな、いやでも友達に化粧しても顔変わらないからメイク下手って言われてるし…。そんなことを悶々と考えていると降谷さんはドライヤー置いておくから使ってくれと今度は降谷さんが浴室に向かって行ってしまった。
私はその言葉通りドライヤーを付け、髪を乾かす。髪が長いと乾くのも遅いのでドライヤーは一苦労なのだ。ゴーッという音と生温かい風を受けているにつれてどんどん眠くなってきて、半乾きの状態で一旦ドライヤーをやめ体育座りのまま顔を埋めた。少しだけ、少しだけ寝てしまおう。こんな寝方だったら爆睡はない。きっと降谷さんが来たら気が付くだろう。
そんな気持ちで、私は簡単に夢の世界へと落ちていった。