過剰な上司を制御してくれ


翌日からの降谷さんの私への態度が少し変わった。前までは喋ってて楽しい感じはあったけど、今はただしつこい。ひたすらにうざいって感じだ。

「辻川、今日は、」
「あーもう!うざいです!」
「えっ…。」
「え、じゃないよ!朝から何すかもう!大した用もないのに私のところ来ないでください!皆あなたに用事があるんですよ!」
「…そんなの、」
「知らないとは言わせないですよ。ねえ風見さん?」
「…俺に振るな、辻川…。」
「というか風見、お前席を代われ。」
「は、」
「はいって言うな!ダメ!私は風見さんの隣じゃないと仕事できない!」
「……風見、」
「風見さんっやだ!離れないで!」
「…胃が、痛い。」

私は何とか風見さんの隣りを死守し、降谷さんはこちらを(というか風見さん)睨みながら席に戻って行った。全く困った上司だ。

そんな様子を見てか、みんな風見さんのデスクに胃薬やエネルギー飲料を置いていくのが見えた。私も今度置いておこう。

午前中の仕事が落ち着き、私はお昼に出るためホワイトボードに休憩の札を持っていくとバタバタと奥の方から足音が聞こえた。何、こわ。

「辻川っ!ぐ、偶然だな、俺もこれから昼だ。」
「……何が偶然なんですか。業務のキリいいんですか?」
「ああ、問題ない。」
「降谷さああん!逃げないでください!これ13時までにやらないといけないんですよお!」
「……。」
「…いや、キリがいいんだ。」
「よくないでしょうが!仕事しろ!」
「…じゃあ、俺のデスクで昼食べよう。」
「食べない。」
「何でだ!」
「下の定食屋が今日生姜焼き定食だからだよ!!」
「生姜焼き定食に俺は負けるのかっ…、」
「すみません。食が資本何で。」
「お前が言うか?それ。」
「頑張ってください。では。」
「ちょっと待て。」

私は降谷さんに行く手を阻まれる。しかしそうしている間に私の休憩時間は刻々と削られていくんだ。くそ上司め、新手のいじめか…!

「おい、こことここ、修正が必要だろ。俺に出すまでもない。」
「は、え、あ…すみません。」
「あとはこの用件であれば風見でも対応できる。あいつに任せておけ。」
「え、し、しかし…。」
「いいな?」
「っはい!」
「よし、キリがよくなった。」
「あんた最低だな。」

文句を言いながらもルンルンと私の前を明るい表情で歩く上司が少し可愛く見えてしまうんだから不思議だ。それに定食屋さんでご飯も奢ってもらえたし何ならその後コンビニで最新スイーツも奢ってもらえたから結果としてラッキー。

ただもちろん風見さんへの差し入れは実費で買いました。