託される
「どうぞ。」
「あらありがとう。」
「ありがとう。」
私はお茶を用意し、影山さんのご両親を目の前に影山さんの隣に座る。こう見るとお母様はキリッとはっきりした顔立ちでお綺麗だしお父様も大柄で影山さんよりは優しい目元を見るととても整っていらっしゃる。このご両親から影山さんが生まれてくるのは激しく納得。
「辻川さん、この子迷惑かけてないかしら?」
「いえいえ。影山さんは本当にチームでも頑張っていらっしゃいますし、今回のアジア選手権でも」
「そうじゃなくてね。私はバレーについてはよくわからないからこの子が納得できるところまでやってくれればいいなと思っているの。でも恋愛については、本当に私たちが心配になるくらい何もなくてね。学生時代も…ねえ?」
「ああ、なあ飛雄。」
「うるせー。」
「この子に人としての幸せとかそういうの、ちゃんと知ってもらいたくてね。だからこの子から彼女が出来たって言われて身勝手かもしれないけど本当にうれしかったのよ。」
にこりと笑った影山さんのお母様やお父様の表情を見ると、どれだけ彼が大切に育てられてきたかがわかる。私は影山さんと付き合ってることがバレたらくびになるかもしれないとか、バレーに影響が出てしまうかもしれないとか、ファンの方から何と言われるかとかそういうことばかり考えていたのに、申し訳なくなってきた。ちゃんとこの方々に伝えないと。
「私は、影山さんの真っすぐで貪欲で何事にも全力なところに惹かれて、リスクある中でお付き合いをすることにしました。迷惑なんて、そんなこと全然ないです。私も恋愛に関しては色々疎いので彼に迷惑をかけてしまうかもしれませんが、支え合ってバレーも恋愛も頑張っていきたいと思っています。」
「…………」
「…ふふ、安心したわ。ありがとう辻川さん。」
「本当にしっかりとしたお嬢さんだ。飛雄にはもったいないな。」
「ねえ、本当。飛雄?しっかり辻川さんの言うこと聞くのよ?」
「……わかってる。」
何とかうまく言葉を伝えられたようでよかった。私はその後日ごろの影山さんの様子やこの後の試合についても話したりして、その後夕食を4人で近くのレストランへと足を運んだ。予想外だったけどとても楽しい時間でを過ごした。寮に帰ってきたころには既に22時を越えていて今日1日を噛みしめながら日付が変わる前に眠りについた。
next.いよいよワールドカップへ