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もうこの思いは、ただの情けや後悔から来るものではない。ただ純粋に影山くんに会いたい、影山くんのことが好きという気持ちで溢れていた。

私は九段下で降り、1か月振りにここに来た。しかしセキュリティの厳しいタワーマンションなので、本人が来るまで外で待つこととなる。いつ来るかもわからないけど、待っているのは嫌いじゃなかった。

「あ、影山くん!」
「…え、え!」

待ち始めてから1時間くらいたってようやく影山くんが大きなバックを肩にかけ歩いてきた。すっごい驚いているようで、肩にかけていたはずのバックがずり落ちていて大きい目が零れてしまいそうなくらい見開かれていた。

「なんで、え!?」
「今日たまたま新宿で日向に会ってね、合宿今日で終わるって言うから、会いに来てみました。」
「…日向あいつ、」
「わたしね、影山くんに言いたいことがあるの。」
「…なんだ?」

真っ暗な住宅街。ムードなんて1つも無くて、でも言いたくて。私は息を吐いてから言葉を紡いだ。

「影山くんのことが、好き。」
「…いま、なんて、」
「影山くんのことが、好きです。」
「…本当か?」

私は24年間でほぼ初めてこんな真正面から告白をしたと思う。告白したのは私のはずなのに、影山くんの方が顔を真っ赤にさせてしゃがみ込んでしまった。

「影山くん?」
「あー…。」
「大丈夫?」

私もしゃがみ込み、顔を覗くとその顔はまだ火照っていて、ぐっと顔を背けられてしまった。

「くっ こっち見んな、」
「…影山くんに会いたくて、待ってたのに?」
「あーくそ、…俺も、好きだ。辻川のこと、好き。」

私たちは目が合うと、思わず笑みが零れた。そのまま引き寄せられるようにキスをした。