あのグラドルとは言わない
『よぉ研磨〜、お前最近グラドルと付き合い始めたって聞いたけど本当なのかよ〜?』
「……どこ情報それ…」
『え、まじなの?』
「付き合ってないけど。てかクロと違って忙しいから切るね」
『ちょちょちょ!まって!研磨様!お願い!』
「………なに?」
『……いや、何と言われると話して欲しいのはそこなんだけど…、いやぁこの間たまたまリエーフと街中で会ってさぁ、あいつ研磨さんに取られましたぁって嘆いてたんだよ。』
「……馬鹿リエーフ」
『あいつが馬鹿なことなんて高校の頃からだろ?で?幼馴染みとしてめちゃくちゃ気になるんですけど。教えなさいよ』
「…………別に、ゲームの話出来る友達が増えただけ」
そう。あの人はそういう人でいい。
あの日ーー
「分かってくれた?」
「……分かったけど、1つ訂正したい」
「えっどこ?」
「……おれ性欲が0なわけじゃない。夢見てるのかもしれないけど、男だから生理的現象は起きるし、起これば処理する。それは辻川さんが言う大嫌いな男と同じだよ」
「…………うん、わかってるよ」
「だから君が好きなコヅケンは画面の中だけでおれじゃない。もうこうして会わない方がいいと、思う」
ちょっとひどいことを言ってしまった自覚はあった。でもやっぱ現実を伝えることは大切だし、自分の男としての尊厳は明確にさせておきたい。……まあ、大してそういうことしないけど。
完全に言葉を失ってしまった彼女はやはりショックだったんだろうか。泣いたりされたらどうしよう…こんなことならクロに女の人が泣いた時にどうしたらいいのか聞いておけばよかった。
「…ふふ、」
「……え、」
「ごめん、ちょっとショックなふりしてた」
「はぁ?」
「研磨に性欲が全くなかったらそれはそれで困っちゃうもん。人間だし、ムラッとするよ。私が言ってるのはそういうのじゃないの!」
「……わかんない」
「うん、分からなくていい。そのままの研磨でいて?」
「……ドラマか」
「えー!た、確かにくさかったね…やだ忘れて!あ、でもわたしが研磨と付き合いたい好きってことは覚えておいてね!」
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なんてことがあったのをこの電話先の男に言ったらまた面倒なことになるのでそこは省略することとする。
『なぁ、研磨。相手の名前まで聞いてねえけどさ、絶対ネットで検索とかしない方がいいぜ?』
「……それしろって言ってんの?」
『いやいや、まじで。だってグラビアっつったら超エロいポーズで超露出度高めの衣装着てやってんだろ?まーじでただの友達として見れなくなっちゃうっしょ』
「………………」
『ま、でもいいんじゃないですか?研磨も大人になろうぜ。ちなみに俺が1番好きなグラドルは辻川みのりちゃんだから、Hカップのアイドル顔。それは検索して見て。えっろくて最高』
だからその辻川みのりが相手なんだよなぁ。というのもクロに伝えたらとんでもないことになることを察したので黙って電話を切った。