コヅケンに抱かれたい


研磨と恋人同士になった。
キスをしたあの夜、それ以上が私たちに起こる事はなくて同じベッドの中で研磨の背中にくっつきながら眠った。朝からランチまで、全ての世界が昨日よりも色付いて見えた。
あれだけ嫌だった仕事も研磨と会えると思うだけでこれまで以上に頑張れるんだから恋人の力はすごい。
幸せな日々、気持ちが通じてから1ヶ月経った今日この頃、また私に新たなる悩みが出てくる。

「で?最近どうなの?」
「研磨が手を出してこない!!」
「ぶはっ、ちょっとみのりちゃん、いきなりぶっ込んでくるのやめてくれない?」
「……じゃあ教えてくださいよ黒尾さん……何したらいいの?わたし……」

あの事件があった際、連絡先を交換していた黒尾さんとこうして相談を持ちかけたのは2回目だ。やっぱり幼馴染という存在は大きいし、研磨のことは何でも知りたい。
そして黒尾さんは、研磨の話をするよりも人の話を聞き出すのがうまかった。

「まあ、研磨にも抱きたいと思ってるって言ってもらったんだろ?なら時が来るのを待つしかないんじゃない?」
「もう1ヶ月!大人って3回目のデートでするんじゃないの!?」
「それは人それぞれだし、つーかみのりちゃんこれまでそうだったの?」
「うっ……そういうわけではないけど…一般論というか……黒尾さんだってそうでしょ?」
「……さぁ、俺はドウデショウ」

つーか俺みのりちゃんから元彼の話とか聞きたくねえし何なら今彼の話も聞きたくねえ!男の夢!と騒ぐ黒尾さんのことは無視だ。世の中処女性だって、その影響でわたしも黒髪でずっとやっているわけだけどそう思ってる男性の方が妖精だなぁとは思う。
でもその妖精の気持ちは手にとるように分かるのに、研磨のことだけが分からない。

「まあでもみのりちゃんがストレートにお願いすれば研磨だってその気になるでしょ」
「……それは、できないでしょぉ……こんな仕事してるし、遊んでるやつって思われたら嫌だもん……」
「遊んでません!って言えばいいのでは?」
「……わざわざ自分から言う?」
「言葉にしないと分からないこともあるでしょう」
「……黒尾さんって本当正論付いてくるから嫌いだなぁ」
「ちょっとまて、俺グラドルであんたのこと1番好きなんだから嫌いって言われるのショックだからやめて」
「あ〜はいはい、すきすき」
「うっ…ちょろい自分が嫌になる…」

言葉にしないと分からない、かぁ。
ねえ研磨、わたしのこと抱いて?こういう経験、業界にいるわりに全然ないから期待はしないで欲しいんだけど研磨ともっと深い関係に……
って言えるかぁぁぁ!!

まだまだ頭を悩ます日々が続きそうです。