応援したくなる人
「おはようございます、よく眠れましたか?」
「おはようございま、す…驚くぐらい眠れました……」
「よかったです、今日は色々手続きをした後午後からチームに合流します。ちなみに夜久さんはロシア語はどのくらい嗜んでいますか?」
「あー……それがからっきし。ドーブライヂェン、スパシーバ、オーチンプリヤートナだけ覚えて日本から出てきました。やばいっすかね?」
「いえいえ、そんなもんですよ。私なんてもっと酷かったです」
「へぇ〜、辻川さんって失礼ですけどおいくつなんですか?」
「今年29歳です」
「まーじすか、5つしか変わらないのにスッゲーしっかりしてますよね」
「そうですかね?あ、パスポートはお持ちですか?」
「持ってます!」
「ではいきましょうか」
私は夜久さんを連れ寮から近い役所のような所へと連れて行った。その間も夜久さんとは色々お話をさせていただき、彼がバレーボールに対して並々ならぬ気持ちで向き合っていることも知った。その中でも来年の東京オリンピックに絶対出てやるという気持ちが強く出ていて、純粋に応援したくなる人だなと思った。
「ではこれで手続きは完了ですので、体育館の方向かいましょうか」
「はい!本当にありがとうございます、俺辻川さんがいなかったら真面目に詰んでました」
「これが仕事なので全然頼ってくださいね」
「はい!あの辻川さんってどの辺りに住まれてるんですか?」
「夜久さんがいらっしゃる寮からほど近いですよ」
「まじですか、じゃあ買い物とか付き合ってもらうのも大丈夫ですかね…?」
「もちろんです、呼んでください」
「はー助かります。ありがとうございます」
「全然大丈夫ですよ、こちら連絡先お渡ししておきますね」
「あざっす!登録させていただきます!」
うん、やっぱり夜久さんは爽やかでいい人だなぁ。今後の仕事のパートナー的存在になるであろう方だし本当に良かったと安堵する。
その後体育館まで彼を送り届け本社で軽く業務を終えると娘の幼稚園のお迎えに行きその日は家に帰った。夜になるの【今後お世話になります、よろしくお願いします】とご丁寧に夜久さんからご連絡が入っていて、私も当たり障りない文章をお返しした。