好きなAV女優の話
「日向〜〜!飯行こーーぜーー!」
「ウッス!いつもの飯屋っすか!?」
「そうそう!今日はツムツムも来てくれるってさ〜!!」
「やったー!!え、臣さんは」
「行くわけない、お疲れ」
「さくさノリわり〜!」
「あっお疲れ様です!」
MSBYブラックジャッカル。V.LEAGUE Division1所属のバレー界では有名なチームだ。その中でも最近ブラジルで武者修行をして帰国した日向がトライアウト後加入することになったのは日本男子バレー界隈では大きな話題となった。
一方で日向は自分がそんなに話題になっているとも知らずこれまで通り、驕ることなく一歩一歩着実にチームの矛となり槍となった。その行いは界隈でもかなり上々の噂で早速うちにも来てほしいと日向はかなりバレーボール選手として優秀で有能だった。
とは言えもちろん着いたばかりのチーム、直ぐに抜ける気もない日向は高校の頃からゆかりのあるメンバーもいる中である程度厳しい中でも楽しくバレーボールが出来ていた。
「ツムツムおせーぞ!」
「すまんて、彼女が電話しつこいねんほんま」
「あー!またそうやって彼女彼女って!なぁ日向!」
「あはは、でもすごいっす!侑さん、何やかんや大切にしてあげてるじゃないですか」
「翔陽くんだけやでほんま…そんなこと言うてくれんの……ほんま好き……」
「俺も好きです!」
「ほんなら結婚する?」
「あーごしっぷ!ごしっぷだ!」
「あはは!」
「あははちゃうでほんま、あー今日何食おう」
「俺はハンバーグ定食って決めてるもんねー!」
「俺は生姜焼き定食!」
「うげ、みんなメニュー決まっとるんかい」
「入った瞬間に大体注文するもんなぁ!」
「その方が早く届きますもんね!」
「俺らあったまい〜!」
ブラックジャッカルの日向、木兎、宮。そして不在の佐久早は妖怪世代(モンスター・ジェネレーション)と言われこの世代で多く活躍する選手たちが世間的にと大きく取り上げられていた。それはバレーボール界隈だけでなく芸能界にも引っ張りだこで、ーーとはいえそれに対応しているのは派手好き、目立ちたがりのメンバーだけだがその中でも宮侑はビジュアル、成績共にピックアップされることが多かった。そしてそれと共に昔からよかったとは言えない女性関係が最近はひっきりなしに続いている。別れたと思えば付き合い、付き合ったと思えば別れる。もはやチーム内では広報の人は泣く思いだけどそれ以外はほぼ放置に等しい。
「おばちゃーん!俺ハンバーグ定食お願い!」
「こんばんは!俺生姜焼き定食で!」
「はいよぉ、あれ、そちらのお兄さんは?」
「あー俺はメニュー見てから決めますわ」
「はいはい、はい木兎くん、日向くん、いつものおまけ」
「やったー!練習後の牛乳最高〜!!」
「あざぁぁっす!」
木兎と日向はといえばとにかくバレー、食事が今は1番好きなことだと2人でよく練習後にはご飯に出かけることが多かった。というかほぼここの定食屋さんに来て顔馴染みのおばちゃん、キッチンのおっちゃんと閉店間際残り物をたんまり盛り付けてもらうことがルーチンだ。侑は2人に声を掛けられることも多かったが基本的に彼女の相手をしなきゃいけなかったので今日は久しぶりにこうして3人での練習後のご飯。2人から遅れてチキン南蛮定食を頼み程なくして届いた美味しそうなほかほかご飯を目の前に3人声を揃えていただきます!と食を始める。食べてる間はうまい、以外の言葉はほぼ無くとにかく食べることに専念、流石は現役のスポーツ選手、あっという間に平らげてしまった。
「かーーっ美味かった〜!」
「おまけのヒジキもまじ最高〜!」
「なぁ翔陽くん」
「へ?なんすか?」
「今俺の彼女に翔陽くん紹介してって言われたんやけどどう思う?」
「………はい?」
「あーーもうこれ絶対翔陽くん目当てやん!なんでなん!?俺かなりイケメンだと思うんやけど!?」
「あ、侑さんはかっこいいっす!」
「だよなぁ!?じゃあなんでこいつ日向選手に会いたぁい、ハートマークなんてつけてんねん!」
「あ、はは……いや、そういう好きとかじゃなくてファンだったとか」
「だとしたらもっとたち悪いわ。俺ファンの子とは付き合わへんし」
「つむつむの謎の拘りあるよな〜!」
「ファンはあかん。別れたらバレーファン減る」
「えらい」
「えらいっすね」
「せやろ〜〜??だからこいつもうあかんわ……いやあかんけど振ったらバレー嫌いになるんか、クーーームカつくーー!!!」
「あ、はは…会うだけなら俺会いましょまうか?」
「あかん!俺の翔陽くんに色仕掛けなんかされたら俺が泣くで!」
「色仕掛けって……」
「だって翔陽くん女に耐性ないやろ?想像してみ?いつも抜いてる女が目の前に現れて1枚1枚ストリップショーして自分の上に馬乗りに……、」
「つうか翔陽誰おかずにしてんだ!?」
「んな!!」
「あ〜〜……かわええなぁ。それだけで顔を赤くさせちゃう翔陽くん」
「くっ……おかずって、別に、ふ、フツーにAV見てますよ……ってくああああこんなこと言わせないでください!!」
「好きなAV女優おるん?」
「えー誰誰!?俺はね〜あの綺麗系Gカップのひまりちゃん!」
「え、ぼっくん柚木ひまりなん!俺も好きやけどあの子綺麗すぎてAV見てると申し訳なくなってくんねん……」
「えー!!でも足も綺麗だし顔も綺麗だし最高じゃん!!」
「まあなぁ。ちなみに俺は矢中みほ派」
「矢中みほ?……あーー!この子か!その辺にいそうでいない系美女!」
「せやねん!いそうでいない、手が届きそうで届かないみたいのがええねん!」
「なら神山ちゃんも好きだろ!」
「っあーー!そう!わかる!でも神山ちゃん喘ぎ声が好みやなかった!」
「なんかあの子ギャウギャウしてるよな!」
「わっっかる!って!ええねんぼっくんとのエロトークは!翔陽くんの好きな子誰や?」
「お、れは……」
「「俺は?」」
「〜〜三宮葉月ちゃん!っす!!」
ガシャっと3人の座席から少し離れたカウンターに座っていた1人の女性が明らかに動揺を見せお皿をひっくり返す。しかし3人はそれには気が付かず日向の"抜く相手"に夢中だった。店主のおばちゃんだけはその女性の元にいくとすみません…と小さく謝罪をしてそさくさとお店を出て行った。
日向は知らない、この時実はその本人がその場にいたことに。