「孝支くん!準備できたよー!」
「おう!今行くー!」
土曜日。頼まれていた部活のお手伝いに行くため私は学校指定のジャージを着て孝支くんの家まで向かった。久しぶりに孝支くんと一緒に学校に行けるのが少し嬉しかったりする。
「ごめん、お待たせ!」
「ううん。ねえ孝支くんいつも学校は何時に行ってるの?」
「あー最近は5時とかだったんだけど、それも昨日までだから!月曜からは普通に6時登校に戻るよ。」
「ひええ…5時なんて私まだ寝てるよお…。」
「だよなあ!でもあいつらのことほっとけなくてさあ。」
「あいつら?」
「1年に面白いやつらがいてさあ。今日紹介するな!」
「うん!」
私は孝支くんと一緒に体育館の扉を開いた。そこには見るも疑う彼の姿があった。
「影山、飛、雄…く、ん…?」
「どうだみのり!驚いたろ!前から影山のバレー好きだったもんな〜!」
「…お前、去年の…。」
影山くんが、私のことを見た。私は反射的に孝支くんの後ろに隠れた。影山くんと向き合うのが、怖い。コート上で見ている彼は美しくて好きだけど、同じ土俵に立った途端あの頃の記憶が蘇ってしまった。
「みのり?」
「…孝支くん、わたし影山くんがいるならもうバレー部には、」
「菅原さんの妹さんですか!?」
「……。」
「日向〜まあ妹みたいなもんだべ。な、みのり?」
「俺、日向翔陽!1年!今日得点番で来てくれてありがとう!」
「…辻川みのり、です。1年5組で、す。」
「あ、月島と同じじゃん!辻川さんよろしくな!」
「う、うんっ」
日向くんの明るくてまるで太陽のような男の子だった。さっきまでの切り裂くような胸の痛みは解れ、私は澤村先輩に呼ばれそちらに向かった。
「はい、集合!」
キャプテンの一言でアップをしていた部員がみんな集まる。もちろんその中には影山くんもいる様子だったけど、私は怖くて目を合わすこと無く反らしていた。
「今日は前から言っていた3対3をやる。そこでみのりが助っ人として来てくれたのでみんな拍手!」
「あ、あのよろしくお願いしますっ」
「うちの可愛いみのりちゃんに手出したら誰だろうと許さないのでよろしく。」
「菅、顔が怖い。」
「菅さんのみのりへの歪んだ愛、揺るがねえっす…。」
「じゃあ各自準備に取り掛かるよう!11時から試合スタートするぞ!」
「「はい!!」」
「みのりちゃん、今日はありがとう。こっちで一緒に準備のお手伝いお願いできるかな。」
「はいっ潔子さんっ」
「あーうちの子本当に可愛い…。」
「菅!お前はこっち!」
私は潔子さんの後を追いかけるようにしてお手伝いに徹した。