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「辻川さん。」
「っ……。」
「…あれ、もしかしてちげえ…、」
「そ、うです、」
「……菅原さんが連れ戻して来いって。」
「……。」
孝支くんは何で影山くんを寄越したんだろう。
久しぶりに影山くんのプレーを見て、すごく綺麗で。何だか感動してしまって、気が付いたら涙が止まらなくなっていた。
やっぱり影山くんのバレーが大好きだって、思ってしまった。
それなのに私はあの時、余計なことを言おうとして彼に蔑んだ目で見られてトラウマになることを言われて、でも全部自業自得な気がして。嫌悪感でいっぱいになっていたのに、何で影山くんがきてしまったんだろう。
「おい。」
「っ……。」
「…そんなびびんなくてももう嫌なこと言わねえよ。」
「……嫌なこ、と、」
「お前去年の大会で俺に話しかけてきたやつだろ?あの時は俺もイライラしてて、その…わりい。」
「っ影山くんは、謝るようなことしてないっ、」
「……。」
「私が、余計なことを、言おうとして…影山くんに、不快な思いをさせてしまって…本当にごめんなさい。」
私は改めて影山くんに頭を下げると、顔上げろと言われた。ゆっくり顔を上げると、影山くんが気まずそうに視線を反らした。
「別に不快な思いなんてしてない。」
「……本当、ですか…、」
「お前の勝手な妄想だ。」
「……。」
「あんま覚えてねけど、何か必死に元気づけようとしてたのは伝わってた。だからその…あ、アリガトウ。」
「っ…わたしも、ありがとうっ、」
「おう。」
「影山くん、バレーやっててくれて、ありがとうっ」
やっと私が憧れてやまない影山飛雄くんに出会えた気がした。