「影山?…かーげーやーま!!」
「な、なんだよ!」
「お前ぼーっとしてんじゃねえよ!ほら、次お前の番!」
「…わかってんだよ。」
なんだこれ。バレー以外でこんな感情が自分の中にあるなんて思わなかった。気がつけば「ありがとう」って言ってきたあの顔とか声とか…思い出してしまう。どうかしてる。
「どうした〜影山今日何かあったべ?」
「…何もないっす。」
「そうか〜?何かあればそうだんしろよ?」
「…あ、菅原さん。」
「ん?」
「あ、の…辻川さん、何か俺のこと言ってなかった、っすか。」
「……別に!和解した〜とは言ってたけど!」
「そ、っすか。」
「…影山!」
「はい?」
「あいつから、あいつの体のこと、何も聞いてないよな?」
「…何も聞いてないっす。どっか悪いんすか。」
「あーちょっと1年集まってくれ!はい、俺のところに集合ー!」
何だ?菅原さんは休憩中の俺たちを呼んで集めた。
「この間来てくれた俺の妹分の辻川みのりなんだけど、実は小さい頃から体が弱くてだな。詳しい病名とかは俺も聞かされてないんだけど、今も通院してて。」
「だからマネジにはならないんですね…。」
「そういうこと。でもあいつはバレーっていうか影山のバレーがすげえ好きなんだ。」
「え、影山の?」
「……。」
「前に北川第一のバレー見に行った時、あいつ今まで俺の試合にも興味湧かなかったくせにキラキラした目で試合見ててさ。試合って言うか影山のボール捌きか、よほど目を惹いたんだろうな。その後も自分で調べて何回も試合見に言ってたらしい。」
知らなかった。辻川さんがそういう状態で、俺のバレーを見てくれたことや、そんなに前からずっと見ててくれたこと。何も知らなかったから、あの時にああいう言葉をかけてしまったことにまたやってしまったという思いが重なった。
「辻川さん、影山のことが好きなんですかね?」
「んな、!?」
「いやそれは違う!!頑固反対!!」
「それ菅原さんの希望ですよね。」
「おい月島ぁ!そんなんじゃねえぞ!」
「ぷっ、まああれですよね。これからも辻川さんは王様のバレーを見に来るけど無理させないようにってことですよね。」
「そういうこと。あとマネジやろうとかは誘うの厳禁で。あいつ無理するから、何か目についたらサポートしてやって。」
「はい!」
「了解です!」
「まあ。」
「…うす。」
「よろしくな、影山。」
「…はい。」
休憩も終わり、俺たちは通常練習に戻った。