「影山くん、わざわざありがとう。」
「おう。」
「道、わかる?」
「わかる。ここだったらうちから走って30分くらいだ。」
「遠い…ね。ごめんね。」
「いい。自分でやったことだし。トレーニングにもなる。」
「…がんばってね。おやすみなさい。」
「おう。」
私は影山くんと別れると、家の前に孝支くんがいることに気がついた。
「え!?孝支くん!?」
「見たぞ。俺は見たぞ!」
「な、なにを!」
「影山と一緒だったろ!!え、何で!?もしかして付き合い始めちゃったとか!?」
「ち、ちがうよ!そんなんじゃない!」
「じゃあなんで一緒だったんだよ!」
「私が、病院の帰りバス待ってたらたまたま影山くんがロードワーク中で、声掛けたら送るって言ってくれて…一緒にバスで帰ってきただけだよ。」
「……本当に?」
「うん。」
「ハーもうなんだよ安心したわ。」
「孝支くんは過保護すぎだよ。」
そう言いながら2人で家に入って行くと、孝支くんは慣れた手つきでお風呂の準備をしてくれる。
「疲れてるのにごめんね。」
「いいっていつも言ってんじゃん?俺が好きでやってんの。」
「…ありがとう。」
「みのりさ〜、影山のこと好き、とか?」
「えっな、なに言って、」
「影山のバレーが好きって話は前から聞いてる。けど影山自身を好きになったとか、そんな感じ?」
「……。」
ここで肯定したらダメだって分かってるけど、孝支くんの目を見て嘘を言える自信がなくて、私は言葉が出なくなった。
本当は言ってしまいたい…もう、認めてあげたい。目を閉じれば影山くんの顔が浮かんでしまう、こんなの恋してる以外の感情じゃなければ何なのか逆に聞きたい。
「みのり。」
「…っす、き…。」
「…誰のことが?」
「……、」
「みのり。認めてあげな、自分の気持ち。」
どうして、孝支くんにはわかっちゃうんだろう。
「影山くんが、好きっ。」
「…そっか。」
言葉にしたら、涙が出てきた。