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目が覚めたら孝支くんはいなくなってて、【朝練行って来る!】というメモ書きを見て安心した。

影山くんが好き。

そう認めてしまえばキュッとしていた心が少し軽くなった気がする。でもこの思いは絶対に影山くんには伝えない。私にはもう、時間がない。

「もしもし?お父さん?」
『みのりか。どうした?』
「えっと、昨日通院行ってきたよ。ここ最近で1番調子いいねって。」
『そうか。よかった。』
「うん。お父さん、約束覚えてる?」
『覚えてるよ。』
「よかった。ねえ、私ね、好きな人ができたの。」
『…どんな子だ?』
「努力家で、ぶっきらぼうだけど優しくて、綺麗な男の子だよ。」
『…そうか。みのりが好きになった子だから、きっといい子なんだろうな。』
「…うん。じゃあ私学校行くね。お父さんもお仕事頑張ってね。」
『ありがとう。いってらっしゃい。』
「いってきます。」

通院した日には必ずお父さんに電話をしていた。けど昨日は泣いて直ぐに寝てしまったため今朝がたになってしまったけど話が出来てよかった。私は準備をし、学校に向かった。





「あやちゃんおはよう〜!」
「みのりー!おはよ!」
「今日は昨日寝ちゃったからレモン付けしか持ってこれなかったの…ごめんね。」
「いやくれるだけで神様みたいなもんだからね?いつも言ってるけど毎日持ってこなくていいんだからね?」
「うん。私がやりたくてやってるの。あやちゃんに喜んでほしくて…。」
「…天使。」

朝練終わりのあやちゃんに差し入れを渡し、席に着く。するとこちらも朝練終わりの月島くんが教室に入ってきた。

「おはよう!」
「はよ。」
「月島くんって甘いもの食べれる?」
「別に嫌いじゃないけど。」
「はい、チョコレートあげる。疲れた時にはいいんだって。」
「…ありがとう。」

月島くんはクールに見えるけどちゃんとおはようもありがとうもできる人だから、きっと良いお家で育てられたんだろうなっていうのがわかる。そしてきっと私が何らかの病気だってことも知っているはずだから、変に隠す必要がなくて気が楽になる。

「あ、そういえば今週末練習試合があるって聞いた?」
「え、バレー部?」
「そう。まだ菅原さん言ってないのかな。」
「聞いてない!見学行ってもいいかな?」
「いいんじゃない?大好きな王様のプレーも見れるだろうし。」
「バ、バレーがね!好きなだけだからね!」
「はいはい。」

月島くんはこういう人の気持ちに敏感そうだから気をつけないといけないな、と焦る気持ちを隠そうと必死だ。

週末楽しみだなあと授業中少し上の空になってしまった。