15 sideT


ただ部室の扉が閉まっただけなのに、ここには俺と#R#さんの2人きり。それだけで緊張がぐんと増した。

しかも今日は私服できたようで、いつもの制服とかジャージの姿じゃないからすげえ違和感、というか何か女の子って感じで…カワイイ。

俺は首をぶんぶんと横に振り、余計な邪念を振り払うように気合を入れた。だけどもう1回だけ辻川さんのこと見ておこうと思って視線を向けると、ギブスを取ろうと台に登っていた。

「おい、俺が取って」
「え?」
「、危ねえ!」

俺が声を掛けたことによって辻川さんが振り返ったと同時にギブスの入ったケースが落ちる手前だった。俺は咄嗟に辻川さんの腕を引いた。その瞬間ケースは上から落ちてきて、俺は辻川さんを庇うようにして包み込んだ。

「だいじょうぶ、か?」
「ごめっ、わたしは大丈夫…だけど、影山くんはっ…!」
「俺は平気だ。」
「よかっ、た……、」

不本意で俺は辻川さんのことを抱きしめるような形になったけど、本当に腕も細いしさっき以上に力を込めたら全部が折れてしまいそうだった。多分病気はあまり関係なく、元々の彼女の細さだとは思うが、女子はみんなこうなのか。でも温かさと心臓の音がすごい安心した。

このまま離したくない、と思ってしまうのは俺が辻川さんのことを意識しているからか、もう自分の気持ちは何となく気が付いていた。


「辻川さんに怪我がなくてよかった。」
「それはこっちの台詞だよ…影山くんに何かあったらと思うと私…、気が気じゃないよ。」
「……。」
「…あの、影山くん、もう…ギブス落ちてこないから、離して、?」
「…離したくねえ。」
「、え?」
「俺、辻川さんのことが好きだ。」

何でそんな泣きそうな顔するのか、俺には分からなかった。