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「え、っと、」
「あ、いやそのわりい急に。何か、自然と出てきたというか、あーなんかこんな感じで言うつもりなかったんだけど、」

本気だ。多分、影山くんはふざけてこういうことを言えるような人間じゃない。本当に私のことを、好きって思ってくれてたんだ。どうしよう、顔を上げて目を合わせたら私も好きと言ってしまいそうで、怖かった。

何も言えずにいたら、影山くんがようやく私のことを離し、ギブスを拾った。

「これは俺が持っていくから、辻川さんは落ち着いてから来い。」
「っ……、」
「咄嗟に言ったけど、俺は本気で辻川さんのこと好きだから、…それだけっす。じゃ。」

私は部室に取り残され、座り込んだまま動けなかった。





暫くしてから私は部室に鍵をかけ、体育館へと向かった。入ると既に試合は始っていて、私は静かに2階へと上がった。やっぱり今日も影山くんのバレーは美しい。

相手の青葉城西高校もきっとつよいところなんだろうけど、烏野高校が先制していた。そしてゲームメイクで初めて日向くんと影山くんのマッチアップを見たけど、これまでにない興奮を覚えた。


「かっこい、いなあ…。」


やっぱり影山くんは凄い。私は試合を見ながら思わず涙が零れた。