試合が終わった後、誰にも会いたくなくて私は孝支くんに連絡だけ入れ、すぐに体育館を後にした。
照りつける太陽。眩しくて、くらくらして、その帰り道、私は道端で倒れ救急車で運ばれた。
目が覚めたら、孝支くんのお母さんが私の手をギュッと握りしめてくれていた。
「みのりちゃん!?」
「…おばさん、」
「もう!本当に心配したのよ!!」
「…ごめんなさい。」
「体は?つらくない?」
「今は大丈夫。…私、」
「ごめんね、おばさんいい加減教えてくださいって言ってお医者さんに聞いちゃった。…みのりちゃん、心臓の病気だったのね。」
「…黙っててごめんなさい。でも余計に心配かけちゃうと思って、言えなくて…。」
私は俯いているとおばさんが優しく抱きしめてくれた。人の体温ってどうしてこんなに安心するんだろう。あと最近涙もろくて泣いてばかりだ。
「みのりちゃんはもう家族なの。だからそんなに気を使わないで心配もさせてほしいのよ。」
「っ…う、ん…、」
「みのりちゃんのお父さんにも頼まれてるからね。もっと頼って?」
「、っうん、」
「うちのお父さんにも病名は言うね。孝支にはどうする?みのりちゃんから言う?」
「……い、いたくない 」
「…まあそうね。わかったわ。病名までは絶対に私の口からは言わない。約束する。でもいつかみのりちゃんから言う時はちゃんと言ってあげて?」
「…はい。」
私は今日から様子を見るのも含め、5日間入院することになった。
「あ、来てくれたんだね。」
「来てくれたんだねじゃない。俺がどれだけ心配したと思ってんだ!」
「…ごめんね、孝支くん。」
入院生活1日目で孝支くんが来てくれた。扉を開いた時に凄い血相をしていたから少し怖かったけど、本当に心配してくれたようでやっぱり少し反省した。
「まじでみのりに何かあったら本当に俺しんどいから。頼むから、…頼むから体調悪くなったりしたらすぐに俺に言って。」
「…うん。ごめんね。」
「もう謝るな。…ハーでもよかったー、いつまで入院なの?」
「金曜日まで。今週は学校行けないんだ。」
「そっかー。じゃあ月島にノートとらせないとなあ。」
「そんなの友達がやってくれるから大丈夫だよ。あ、でもバレー部の人には心配いらないってこと言っといてほしいな。」
「みんな心配してたからな〜。ちゃんと言っとく。」
「ありがとう。」
「…あんま食欲ない?何か少し痩せた気がする。」
「ん〜でもケーキは食べたいよ?」
「じゃあ退院したらケーキ食べに行こう。」
「うん!」
「よし、約束!」
孝支くんの笑顔を見ると安心する。私は孝支くんが帰った後、1人で夜を過ごした。