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まさか影山くんから勉強を教えてほしいとSOSが来るとは思ってもいなかったからびっくりした。でも頼られることが少し嬉しくて、私は教室で彼が来るのを待った。

少しすると廊下に影山くんの姿が見えた。

「影山くん!」
「あ、」
「ここ、月島くんの席だけどいい?」
「…あいつ隣なのか。」
「うん!ところで影山くん何の教科ができないの?」
「……全部。」
「…全部?」
「…わるいと思ってる。」

影山くんは本気でそう言ってるのか、いつもの自信満々にバレーをやっている姿はそこになく、まるで捨てられた子犬のような顔をしていた。

「じゃあ今日だけじゃ足りないね。明日は部活お休み?」
「テスト期間だから休みだ。」
「うちはどうかな?ゆっくりできるし影山くんも時間とか気にしないでいいから集中できると思うよ?」
「…辻川サンがいいならイキマス。」
「あはは、片言。じゃあとりあえず今日やれるところまでやろっか。」
「お願いしゃす!」

その後私と影山くんによる勉強会が始まった。