夢を見た。
私の病気が完治して、影山くんとバレーをしている。そんな夢を見た。バレーボールは難しくて、私はボールを落としてばっかりだったけど影山くんは下手くそって言いながら付き合ってくれた。
あの指先から放たれるトスを、私が受け取って、また返される。その繰り返しなのに、楽しくて仕方なかった。夢だと分かっているから、覚めたくなかった。
「…ん、」
そう願っても目は覚めてしまうもので、起きたらわたしの手を握っている影山くんの姿があった。びっくりして声がでなかったけど、影山くんは寝てしまっているようだった。
何でここがわかったんだろう何て疑問、どうせ孝支くんだろうなと直ぐに分かった。本当は病院にいる姿を見られたくなかったのが本音だけど、お見舞いに来て寝てしまうほど体が疲れているはずなのに、会いに来てくれたことが素直に嬉しかった。
「ありがとう…。」
「ん…ハッ、辻川さん!?」
「あ、影山くんおはよう。」
「わ、わりい俺寝てて…。」
「ううん。来てくれたんだね。」
「ああ、菅原さんに言われて、その…会いたかったし。」
「…ありがとう。」
夏休みはほぼラインで連絡を取り合ってたくらいで、会うのは本当に久しぶりだった。影山くんはまた一段とたくましく、強くなった気がする。
「大丈夫なのか?体調。」
「うん。入院が大袈裟なんだよ〜いつも通りの感じだったんだけど一応ね。」
「そうか。…辻川さん、どこが悪いんだ?」
「あはは、ダイレクトに聞いてくるんだ。」
「まどろっこしいの苦手だから。」
「そうだよね。これは、孝支くんにも言ってないんだ。」
影山くんには、話そうか。