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辻川さんからの連絡は、東京に来た今でもまだなかった。明日は試合前の最後の調整だ。集中しろ、集中せずに勝てる相手じゃない。わかってる、わかっているけど!!

「影山!」
「…はい?」
「みのり、手術成功したって!」
「うおおおまじか!」
「みのり〜!!よかった〜!!」
「…よか、った。」

持っていたボールが手から落ち、俺は右手を握りしめ拳を額に当てた。皆がいるにも関わらず自然と涙が出てきて、その姿を見た菅原さんが俺の背中に腕を回し、ポンポンと叩いてくれた。

「よかった、本当によかった。」
「っ…くっ、」
「よかったなあ影山。」
「 〜…!」
「みのりは勝ったんだ。手術に、勝負に。」
「…は、い。」
「俺たちも明日、絶対勝ってみのりに会いに行こう。」
「…はい!」

俺は涙を拭き、ボールを手に取った。春高はテレビ中継もやる。もしかしたら#R#さんが見てくれるかもしれない。

そんな大舞台で負けるわけにはいかない。






その夜。

【影山くん。お返事できずにいてごめんなさい。ちょっと勝負をしていました。私は勝ちました。影山くんも明日頑張ってください。テレビで試合見て応援してます。】

辻川さんから連絡が入っていた。俺はこの言葉があれば無敵かもしれない。

【辻川さん、勝ったんだな。俺も負けてらんねえ。明日絶対勝つからテレビ見ててくれ。】

俺は携帯を閉じ眠りについた。