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「お疲れさまでした!」
「お疲れ〜。」
「あ、先輩。私今日も自主練していきたいので、」
「はいはい。鍵よろしくね〜。」
「はい!ありがとうございます。」

烏野高校女子バドミントン部は、良くて県ベスト16。他校からは当たればラッキーと言われてきた弱小高だ。私は中学生の頃に県大会で優勝をしたこともある上、スポーツ推薦で何校から声も掛っていたけれど、家から近いという理由で烏野高校に来た。

最初はすごく歓迎された。だから烏野バド部の意識も変わるのかなと思った。けど違った。どんどん私との実力差以外にも温度差を感じていったチームメイトは離れていった。先輩でさえ、誰一人として賛同してくれる人はいなかった。

私はここではいつだって1人だった。




自主練が終わり、うちの部活の顧問は帰ってしまうため、第一体育館にバレー部の顧問である武田先生に声を掛ける必要があるのでいつもの通り男バレが練習している体育館に向かった。

「失礼しまーす。」
「おーう辻川ちゃん!」
「あ、菅原先輩お疲れさまです。」
「今日も1人?怖くね?」
「もう慣れましたよ。あの武田先生は?」
「あれ、影山ー武田先生どこいったか知ってる?」
「いや知らないっす。」

バレー部の人たちとは顔見知りで勝手に自己紹介された影響で名前も知ってる。特に天才セッターと言われている影山とは同じ中学で、あの頃から自分に似ているものを感じた。それはあっちも同じだったようで、結構仲良くしている。

「影山〜もう終わり?一緒に帰ろ。」
「ああ、もうすぐ終わる。」
「じゃあ私部室の戸締りしたらそっち行く。」
「おう。」

こうしてるといつも菅原先輩にお前ら本当に付き合ってないの?と聞かれるけど、断じて影山とはそういう関係じゃない。

影山は私にとって唯一無二の存在だった。