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「へ〜練習試合。」
「及川さんたちがいるチームだ。強いチームと戦えるのすげーわくわくする。」
「…いいなあ。」

影山は高校に入って少し変わった気がする。私は中学時代の方が気が合うなあとか思ってたけど、環境が変われば人は影響されていくらしい。

それは恐らく私も同じで、影山が輝いて見えるのはきっと自分が落ちこぼれたからに違いない。バドミントンの技術だけじゃない、人間としても私は廃れていってる気がした。

「辻川?」
「あ、ごめんぼーっとしてた。」
「お前は最近どうだ?部活。」
「あーうん。変わりないよ。」
「そうか。」
「やっぱり選択間違えたかな〜。」
「……。」
「私、自主練しても無駄だよねきっと。1人じゃどうしようもないし。」
「…練習は無駄にはならない。」

影山の言葉が胸に刺さる。それは中学時代の自分が証明しているのに。中学時代は私が1番下手くそだった。でも誰よりも練習をして、努力を重ねた結果の表彰だった。

練習は裏切らない。わかってることなのに、今ここで必死に練習をして何になるのか、分からなかった。


「辻川、」
「あ、そういえばさ、影山って意外とモテるんだよ。知ってた?」
「…どうでもいい。」
「私もクラスの女子が影山くんかっこいい〜って言ってた。」
「……。」
「だからむかつくから影山の寝顔の写メ見せて幻滅させといた。」
「てめ、何やって!つかそんな写メいつ撮ってんだよ!」
「一緒にバス乗った時。ほんっとぶっさいくな顔して寝てるから気を付けた方がいいよ。」
「辻川ボケエエ!」

影山が私のことを走って追ってくるもんだから私も負けじとダッシュした。こうやって影山と一緒にいるときが1番好きだ。