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それからほぼ毎日のように影山くんから連絡があった。それに対しての私は半分くらい返信を返しているような状態。影山くんってこんなにぐいぐい来るようなタイプだったっけ。東京に来ていろいろ揉まれたのかな、と思いながら今日も返信を考える。
【明日からVリーグの合宿が始まるからあんま連絡できねえ】
【今日電話したらダメか?】
「電話かあ…。」
今日はフレックスだから16時上がりで、特にその後に予定も入れてなかった。最後に会ったのはあの日振りだから、約1か月前。つまりあの夜からもう1カ月以上も月日が経っていた。
【お疲れさま。】
【私今日16時に仕事が終わるんだけど、影山くん時間あったらご飯でも行きませんか?】
「あ、既読ついた。」
【あく】
【間違えた】
【いく】
【どこでも行く】
本当にこの人、可愛いなあ。焦って連絡をしているのが分かりやすく想像ができる。私の中の影山くんのイメージがどんどんと変わっていくのを感じた。
【じゃあ17時に虎ノ門駅で。】
【わかった!】
こんなに早く仕事が終われと思ったのは久しぶりかもしれない。私は携帯の電源を落としてオフィスに戻った。
「影山くん!」
「…おう、久しぶり。」
「うん。時間少し早いけど行っちゃおっか。」
「おう。」
影山くんは帽子を深く被り、まるで芸能人みたいだ。すらりと伸びた黒スキニーは影山くんのスタイルの良さを引きたてていて、黒いジャケットから見える白いセーターも影山くんっぽさがあった。何だか隣を歩くのが少し恥ずかしい。
私は紺のフレアスカートに白のカーディガンにグレーのトレンチコートというあたかもその辺にいるようなオフィスカジュアル。パンプスもそこまで高いものを履いているわけではないのでスタイルだっていい訳じゃない。こんな私が影山くんの友達だと思われていいのか途端に不安になった。
「辻川?」
「あ、ごめん。ぼーっとしちゃった。」
「…大丈夫か?」
「うん。あ、お店こっちに美味しい焼肉屋さんがあるんだけど、そこでいい?」
「おう!」
「じゃあ行こっか。」
俯きながら、お店へと足早に向かった。